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澪「えっ…変かな?」 唯「味噌汁にワサビなんていれないよフツー」 澪「おいしいのに」 唯「え〜無いよ」 澪「唯だって味噌汁に七味入れてるじゃないか」 唯「七味はおいしいもん!」 澪「でもワサビと同じくらい変だと思うぞ」 唯「変だということは自覚してるんだね。一応」 澪「いやでもおいしいぞこれ。今度唯もやってみたら?」 唯「うーん、遠慮しとく」 澪「ふーん」ズゾゾ つぎのひ! 唯「はい澪ちゃん、ちゃんと帰りにおつかいしてきたよ!」 澪「ありがとう唯、明日の朝の納豆も買ってきた?」 唯「うん、バッチリ!ほら!」 澪「って買いすぎだろこれ!6パックもいらないよ」 唯「そうかな?」 澪「そうかなって…唯、納豆何パック食べるつもりだよ」 唯「ん?家ではいつも3パック食べてたよ」 澪「一度に!?」 唯「一度に」 澪「唯、納豆好きだったんだな」 唯「んー、普通かなぁ」 澪「なんだそれ…」 つぎのひ! 唯「う〜ふふ〜♪」マゼマゼ 澪「絶対食べ過ぎだって」マゼマゼ 唯「そんな事ないもん!」マゼマゼ 澪「だってご飯だってどんぶりに山盛りだし!」マゼマゼ 唯「だって納豆3パックだから、お茶碗じゃご飯足りないじゃん!」マゼマゼ 澪「だからそれが食べ過ぎなんだって!」マゼマゼ 唯「ぷーんだ!」マゼマゼ 唯「あ、もういいかな」 澪「よし、ゴマ油ゴマ油」 唯「ん?ゴマ油?」 澪「うん、納豆に少し入れると美味しいんだ」 唯「へ〜、あ!それなら私だって…」 澪「?」 唯「じゃーん!」 澪「う、梅干し!?」 唯「うん!納豆に梅干し!!」 澪「うーん、分からなくはないけど試したくはないなぁ…」 唯「え、やったこと無いの!?納豆に梅干し」 澪「無いよ」 唯「美味しいのに〜!」 澪「じゃあ今度な」 唯「えー今やろうよ」 澪「早く食べないと遅刻するぞ〜?」 唯「もー澪ちゃんのいけずぅ〜」 つぎのひ! 唯「澪ちゃん今日の晩御飯は〜?」 澪「明太子」 唯「明太子のみ!?」 澪「いや、ご飯と明太子」 唯「ご飯と明太子のみ!?」 澪「だって今日は唯の番なのに買い物忘れてくるから」 唯「うぅ…ごめんなさい…」 澪「ということで、今日はご飯と明太子のみ!」 唯「あ、出前にしない?ピザとか」 澪「ダメ。出前のピザなんか高いだけじゃないか」 唯「でも澪ちゃんはそれでもいいの…?」 澪「仕方ないだろ」 唯「でもでも、私のせいで…」 澪「別にいいよ一日くらい質素なご飯でも」 唯「そう?」 澪「ダイエットにもなるし」 唯「あ、もしかしてそっちが本音…?」 澪「う、うるさいな!」 澪「とりあえず、明太子焼くからちょっと待ってて」 唯「うん…」 唯「え!?」 澪「?」 唯「明太子焼くの?」 澪「え…明太子は焼かないと」 唯「明太子は普通生じゃない?」 澪「生でもいいけど、私は表面を少し焼いたほうが好きなんだ」 唯「そうなんだ」 澪「唯は生の方がいい?」 唯「うーん…せっかくだから私のも焼いて」 澪「お、挑戦してみる?」 唯「うん!」 ・ ・ ・ 澪「………」モグモグモグ 唯「………」モグモグモグ 澪「どう?」 唯「んーまぁまぁかな?」 澪「あれ、微妙?」 唯「タラコは焼いたほうが美味しいと思うんだけど…」 澪「うん」 唯「明太子はビミョーだね」 澪「そっか…」シュン つぎのひ! 唯「澪ちゃん、今日は休みだしなにか凝った事しようよ!」 澪「凝った事〜?」 唯「うん!なにかおもしろい料理するとか」 澪「おもしろい料理ってなんだ…」 唯「うーんとね、チャーシューとか!」 澪「ほう、チャーシューを作るのか」 唯「うん、おもしろそうじゃない?」 澪「いいかもしれないな、たまには」 唯「でしょ?」 澪「で、なんでチャーシューなんだ」 唯「ここにタコ糸があるからです」 澪「そうか」 唯「うん」 澪「なんでタコ糸があるんだ」 澪「ていうかそれちゃんと料理用のタコ糸じゃないか」 唯「結構前に買ったの」 澪「なんで買ったんだ…」 唯「このタコ糸のデザインが気に入って」 澪「豚?」 唯「うん!豚さんがタコ糸でぐるぐる巻きになってるの。かわいくない?」 澪「別に」 唯「ちぇ〜…」 澪「いつの間にそんな無駄遣いをしてたんだ」 唯「無駄遣いじゃないよ!」 唯「現にこうやってチャーシュー作りに活用しようと提案してるじゃないですか」 澪「はいはい」 唯「ぷく〜っ…!」 澪「まぁでも、チャーシューを作るのは面白そうじゃないか」 唯「そうだよね!」 唯「それじゃ早速スーパーに行こうよ!」 澪「ちょっと待って、買い物袋取ってくるから」 1時間後・・・ 唯「材料を買ってきました!」 澪「豚バラブロック、にんにく、しょうが、ネギ」 唯「忘れ物は無いよね?」 澪「たぶん」 唯「それで、最初はどうすればいいの?」 澪「えーと、まずは豚肉に塩をすり込む」 唯「こう?」ジョリジョリ 澪「もっと薄く、そうそうまんべんなく」 唯「はーい」ジョリジョリ 澪「で、すり込んだら一時間放置。長いな…」 唯「長いね…」 30分後・・・ 唯「もういいんじゃない?」 澪「いやまだ30分しか経ってない」 唯「んもー!」 澪「ちょっと唯、足邪魔。テレビ見えない」 唯「私の足を見てて!!!」 澪「毎日見てるよ」 唯「え、毎日見てるの!?」 澪「そりゃ毎日嫌でも目に入るよ」 唯「嫌なの…?」 澪「今は嫌」 唯「えーなんで」 澪「だーかーら、テレビが見えないから!」 唯「ぷく〜っ…!」 澪「ていうか唯だって、私の体毎日見てるだろ」 唯「えへへ、まぁね〜」ジタバタ 澪「だー!だからテレビ見えないってば!」 唯「だって澪ちゃんがかまってくれないんだもーん!」ジタバタ 澪「ほーう?」 コチョコチョコチョ 唯「やっ!?いやっひゃっ!?あははは!!!やめっ!!やめて!!」 澪「かまって欲しいんだろ?」コチョコチョ 唯「そういう意味じゃなくて!くはは!あっ!ひひひひひ!」 澪「どういう意味だよ」コチョコチョコチョコチョ 唯「ひひははは!!も!!やめ、やめて!はははは!!!しぬ!しぬ!!!」 ゴスッ!! ・・・ 澪「………」ヒリヒリ 唯「ごめんね澪ちゃん…?顔、蹴っちゃって…」 澪「いや、私の自業自得だから…」 唯「痛かった?」 澪「まぁまぁかな」 唯「なんだったらほっぺスリスリしてあげるよ?」 澪「いやそれは楽しみだけどとりあえずチャーシュー作らないと」 澪「もういい頃合いじゃないか?」 唯「そうだね」 唯「次はどうするの?」 澪「次はいよいよタコ糸の登場です」 唯「よっ待ってました!」 澪「これで肉を縛ります」 グルグル 澪「んっ…肉がなかなか丸まらないな」 唯「私どこか押さえてたほうがいい?」 澪「いや大丈夫」 唯「オーケー!じゃあ私応援してるね!」 澪「うん…」グルグル 唯「ファイトー!澪ちゃん!フレフレ澪ちゃん!」 澪「くっ…このぉ」グルグル 唯「頑張れ秋山!負けるな秋山!」 澪「唯、タコ糸の端ちょっと持ってて」 唯「あ、はい」 ・ ・ ・ ジュージュー 唯「へぇ、煮る前に焼くんだねー」 澪「こうすると形が整って、旨味が逃げないらしいぞ」 唯「なるほどね〜…」ジュルリ 澪「こーら、唯。食べちゃダメ」 唯「見てるだけだよ」 澪「近い」 唯「ジー…」 澪「そんな事してると」 唯「あちっ!」 澪「ほらみろ」 唯「うぅ〜…油ハネた!あついー!」 澪「大丈夫?」 唯「澪ちゃんがチューしてくれたら治る」 澪「またそんなベタな事言って…」 唯「ぐすん」 澪「ほら、んっ…」 唯「えっ…もっとちゃんとー!」 澪「あ、唯お皿取って」 唯「ぷくっ〜…!」 ・ ・ ・ グツグツグツ 澪「このまま4時間ほど煮込みます」 唯「長い!」 澪「料理はな、大変なんだ」 唯「チャーシューってこんなに時間がかかるものなんだね」 澪「うん、ちょうどいい時間だしお昼にしない?」 唯「賛成!」 澪「そうめんでいい?」 唯「うん」 ・ ・ ・ 澪「そうめんができました」 唯「いただきます!」 澪「いただきまーす」 唯「あ、梅干し梅干し」 澪「そうめんにも梅干し…?」 唯「うん。っていうか澪ちゃんそうめんに梅干しもやったことなかったの?」 澪「う、うん」 唯「えー…ショック」 澪「その程度でショックを受けるな!」 澪「わかったよ、やればいいんだろ?やれば」 唯「えへへー」 澪「あ、結構イケる」 唯「でしょ?」 澪「そういえばめんつゆに梅干しは初めてだけど、昔めんつゆにお味噌は試したことあったな」 唯「あ、いいじゃんそれ。やってみよっと」 澪「え、梅干し入れた汁に味噌も入れるのか…?」 唯「不味くはないと思うよ?」 澪「えー…ショック」 唯「あ、パクリだ!パクリ!」 澪「じゃあ…“見損なった”」 唯「ぇ……うぅぅ…」ぐすん 澪「わー!なんで泣くんだ!!」 唯「だって…澪ちゃんに見損なわれた…」ポロポロ 澪「だー!面倒くさいなもう!」 澪「ほら、私も味噌入れたから!」 唯「うぅ…ありがとう澪ちゃん!」グスンヌ 澪「…まぁ確かに不味くはないな」ズゾゾ 唯「結構美味しいじゃん」ズゾゾ 澪「これだったらもう少しアレンジしてもいいかもな。ラー油とか」 唯「あ、いいねいいね。入れよう入れよう」 唯「そうだ、それだったらついでアレもいれない?」 澪「お、私もそれを考えていたところだ。あともう一つアレもコレも…」 ・ ・ ・ 澪「………」ズルズル 唯「………」チュルチュル 澪「調味料を入れすぎてなんだかよくわからないそうめんになっちゃったな…」ズゾゾ 唯「ていうかこれもはやそうめんじゃないよね」チュルルル 澪「でも不味くはないな」 唯「うん。不味くはない」 チュルチュル ・ ・ ・ 澪「腹ごしらえが終わり、チャーシュー作りの再開です」 唯「はい!」 グツグツグツ 澪「うお、だいぶ汁が無くなってる」 唯「すごーい、おいしそう」 澪「ところで唯、このチャーシューは何に使うんだ?」 唯「うーん、ラーメン?」 澪「ラーメンなんか買ってきてないぞ」 唯「え、じゃあどうするの」 澪「知らないよ」 唯「チャーシューといえばラーメンでしょ!?」 澪「んーまぁ確かに」 唯「ラーメンといえばチャーシューでしょ!?」 澪「それはどうだろう」 唯「澪ちゃんといえば私でしょ!?」 澪「え?」 唯「で、私といえば澪ちゃんなの」 唯「そういうこと」 澪「言いたいことは分からなくも無いけどどういうことだよ…」 唯「えへへ」 唯「じゃあラーメンを買ってこないと」 澪「そうだな」 澪「明日でもいいんじゃないか?」 澪「どうせチャーシューは一晩寝かせないといけないし」 唯「あ、そうなんだ」 唯「あれ?じゃあ今日の晩御飯は何食べるの?」 澪「ぁ………」 唯「ぁ…って」 澪「冷蔵庫になにかあるだろ」 唯「明太子しか無いよ」 澪「………」 澪「よし、出前にしよう。夜もそうめんは嫌だ」 唯「やった!」 澪「ただしピザ以外だぞ」 唯「あ、もしもし?マルゲリータMとテラ・ミートMとそれから…」 澪「おいぃぃ!!」 ・ ・ ・ ピザ屋のお兄さん「まいどありーっす!」ブロロロロ 澪「………」 唯「澪ちゃん食べないの?」モグモグ 澪「………」 唯「おいしいよ?ピザ」ビローン 澪「いただきます…」 唯「召し上がれ!」 澪「………」モグモグ!! 唯「?」 澪「………」モグモグモグモグ!! 唯「あ!ちょっとまって!食べ過ぎ!!」 澪「………」モグモグガツガツ!! 唯「私の分がなくなっちゃうよ!」ガツガツ!! 澪「…んぐぅ!!」ガツガツ!!! つぎのひ! 澪「出来ました。チャーシューです」 唯「わーい!わーい!」 澪「切ります」 唯「わーい!わーい!」 澪「んっ…く…」 唯「切れない?」 澪「ちょっと切りにくい」グッ…グッ… 唯「包丁をお湯で温めてみたら?」 澪「なるほど。唯にしては頭いいな」ナデナデ 唯「えへへ!」 澪「お、切れた」 唯「あ、すごい!ほんとにチャーシューだ!」 澪「しっかり丸い渦巻きチャーシューだ!」 唯「わーい!わーい!」 ・ ・ ・ 澪「………」ズゾゾ 唯「………」ハムハム 唯「これ超おいしくない?」 澪「うん、思ってたよりも遥かにおいしい」 唯「チャーシュー屋さん開けるんじゃない?」 澪「なんだチャーシュー屋って」 唯「チャーシューのみ売ってる店」 澪「まぁ探せばあるかもな」ズゾゾ よる! 唯「明日からまた仕事だねー」 澪「そうだな、もう寝よう」 唯「あ、そうだ」 澪「?」 唯「澪ちゃん」スリスリ 澪「ん?な、なんだよ」 唯「あれ?」 唯「ほっぺスリスリだよ」 澪「え?」 唯「覚えてないの?」 澪「全然」 唯「えー…澪ちゃんのバカ」 澪「思い出すまで続けて」 唯「しょうがないなぁ…」スリスリ 唯「………」スリスリ 澪「………」 唯「………」スリスリ 澪「………」 唯「………」スリスリ 澪「………」 唯「………」スリ 澪「ん?」 唯「…ぐ〜」 澪「寝たのか」 唯「うん、寝た」 澪「そっか、じゃあおやすみ唯」スリスリ 唯「えへへ、おやすみ」スリスリ 澪「………」 唯「………」 澪「………」 唯「澪ちゃん?」 澪「ん?」 唯「味噌汁にワサビはやっぱり変だよ」 終 戻る
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音楽室 唯「へ?」 律「いや、そんなことあってもおかしくないと思わないか?」 澪「あー、わかるぞ。唯と憂ちゃんって瓜二つだもんな」 唯「憂二人?」 梓「瓜二つです、そっくりってことですよ」 紬「雰囲気もどことなく似てるわよね」 唯「うーん、そうかなぁ?」 澪「なんだよ、違うのか?」 唯「違わないんだけど違うかな」 律「すげー唯節だな、普通の人には理解できねえぜ」 梓「もうちょっとわかりやすく説明してくださいよ」 唯「だから、憂と私は似てるようで似てないんだよ、似てるんだけど」 紬「つまり、顔や雰囲気は似ていても、好みなんかは違うってことかしら?」 唯「うん!」 律「おーすげー、ムギ、そのまま唯の通訳になれよ」 紬「え!?その資格はどこで取れるのかしら!?」 澪「おーい、真に受けるなー?」 梓「ムギ先輩ってたまに天然ですよね」 律「お前もな」 梓「うっさいですよー?」 唯「とにかく、私と憂は別人なんだよ!」エッヘン! 澪「いや、そりゃそうだろ・・・」 紬「わかってるわ、唯ちゃん」 律「でも、好みが違うって具体的には?」 梓「っていうか憂に嫌いなものや苦手なものなんてあるんでしょうか?」 唯「あるよ!」 澪「へー、例えば?」 唯「りっちゃん!」 律「」 紬「え゛・・・」 澪「いや、嘘だろ?」 唯「えーなんで?」 律「嘘って言ってくれよ・・・?」 梓「でも、なんで憂は律先輩が嫌いなの?」 唯「嫌いじゃないよ、あずにゃん」 梓「え、そうなんですか?」 律「そ、そっか・・・!」パァァァ! 唯「うん、なんか苦手だって言ってた」 律「」 律「・・・なんで、なんで憂ちゃんは私のことが苦手なんだ?」プルプル 唯「うーん・・・」 澪「どうなんだ、唯!」 唯「・・・わかんない」 梓「」 唯「結構前なんだけど、憂とりっちゃんの話になったことがあるんだ」 紬「うん、それで?どんな話をしたの?」 唯「なんの話もできなかった」 律「」 澪「律、生きろ」 唯「りっちゃんがねーって話を振ったら・・・律さんの話はやめよう?って、やんわり止められた」 律「」 澪「それって・・・結構、決定的じゃないか?」 唯「うん、私もそう思う。というか、その時確信しちゃったもん」 律「もう、やめてくれ」 梓「先輩、事実を受け止めましょう。悪いところがあったら直すんです」 紬「りっちゃん、辛いだろうケド耐えて!」 律「もう既にかなり耐えたんだけど、もう耐え切れないんだけど」ブツブツ 澪「まずい!律がうわ言を!」 唯「ごめん、りっちゃん!今の嘘だから!」 律「ほ、本当かぁ!?」パァァァ! 唯「ううん、嘘って言うのが嘘」 律「・・・」ズーン 澪「唯、上げて落とすような真似はするな!」 唯「だって、嘘って言って欲しそうだったから・・・」 梓「でも事実ならしょうがないです、ここは律先輩が受け入れるしかないんです」 紬「りっちゃん、頑張って!」 律「くっそー・・・なんで私は憂ちゃんに嫌われてるんだ・・・?」 梓「でも・・・本当に、なんででしょうね?」 律「うぅ・・・私、憂ちゃんに何か酷いことしたのかな・・・?」 唯「えっと・・・変なこと言ってごめんね?」 律「いいもん・・・いいもん・・・」イジイジ 紬「りっちゃん・・・かなり堪えてるみたいね・・・」 澪「そりゃ、憂ちゃんは律のお気に入りだからな」 唯「へ?そうなの?」 澪「ああ、いつも憂ちゃんの話になると『憂ちゃんみたいな妹が欲しかった』って言ってるぞ」 唯「そうだったんだ・・・ホント、ごめんねりっちゃん」 律「・・・事実ならしかたがないよ・・・」イジイジ 唯「でも、嫌いってワケじゃないんだよ?きっと」 律「いいよ、唯・・・そういうフォローはかえってつらいよ」イジイジ 唯「えーでも、本当だよ?」 梓「ほら、律先輩?元気出して」 紬「そうよ、私たちはりっちゃんが大好きよ?」 澪「あ、ああ・・・そうだぞ、律」 律「う、うん・・・サンキュ」グスッ 澪「(って、おぉぉい!!泣いちゃったぞ!?)」 唯「(・・・私のせい、だよね?)」 梓「(確かに唯先輩の話からこうなりましたけど、憂が律先輩のこと苦手ならこうなるのも時間の問題でしたって)」 律「うっ・・・ひぐっ・・・」グスッグスッ 紬「(そうよっ全て唯ちゃんが悪いっていうワケじゃないわ)」 唯「(そっか・・・)」 澪「(それよりも、この場をどう沈めるか、だよ。こんな泣いてる律、私ですら見たことないくらいだぞ?)」 紬「(うーん、どうしましょう・・・)」 梓「(みんなでなんとかしてあげましょう)」 澪「(相談って・・・原因もわからないのに・・・)」 唯「(そうだよ、あずにゃん!りっちゃんの話をしたときの憂って言ったら・・・!)」 紬「(何々?)」 唯「(姉の私ですら踏み込めないくらいの穏やかな殺気を取り巻いてたよ)」 梓「(怖っ!!)」 唯「(だから、憂に聞いたりするのはまずいと思うんだよね・・・)」 澪「(うーん・・・じゃあ、やっぱり梓の言うとおり、私たちでなんとかしてあげよう)」 唯「(っちょっと、私の話聞いてた?)」 澪「(大丈夫だ、私に考えがある!)」 梓「(・・・わかりました、任せましたよ?澪先輩)」 紬「(私たちは澪ちゃんに合わせるわ)」 唯「(お願いね!)」 澪「なあ、律」 律「うぇっ・・・ひっぐ・・・」グスングスン・・・ 澪「おーい?律ー?」 律「・・・ぐずっ・・・ふ、ふぇ?」 澪「もう泣くな」ナデナデ 律「う・・・だって、憂ちゃんが・・・」 澪「そのことなんだけどな、律。きっと憂ちゃんは律のことを何か誤解してるんだよ」 律「・・・誤解?」 澪「ああ、そうだ。だから、みんなで憂ちゃんの誤解を解こう」 律「みんな、で・・・?」 澪「ああ、いいよな?みんな」 梓紬唯「もちろん!」 澪「よし、今週の土曜日は唯の家に集合だ、みんな都合は大丈夫か?」 紬「ええ、大丈夫よ」 梓「私も」 唯「大丈夫!お昼くらいからにする?」 澪「ああ、そうだな」 律「でも・・・どうやって誤解を解くんだ?」 澪「まずは憂ちゃんが律をどんな風に思っているのか知るところからだ」 律「どんな風にって・・・苦手、なんじゃねぇの・・・?」グスッ 紬「(澪ちゃん!それは地雷よ!)」 澪「ああああ!ごめん、律!そういう意味じゃなくててだな」 律「・・・なんだよ」 澪「なんで憂ちゃんは律のことを苦手だと思っているか、それを調べるんだ」 律「・・・憂ちゃんは私の話もしたくないんだろ・・・?」 澪「う゛っ・・・だ、だから、言葉じゃなくて態度で確かめるんだ」 唯「態度で?」 澪「ああ、色々律が憂ちゃんに話かけながら、何が苦手なのかを探っていくんだ」 梓「いや、それ一歩間違ったら血祭りじゃないですか」 律「血祭り・・・」グスッ 紬「(だからそういうのは地雷だってば!!!!)」 梓「ひぃぃ、すみません・・・(ムギ先輩、怒りすぎて白目と黒目が逆になってる・・・)」 唯「でも、それいいかも」 澪「だ、だろ?」 唯「うん!流石に『家に上げません!』とは言わないだろうし」 紬「確かに、問題を解決するためには原因の究明は必須だわ」 梓「・・・本当にやるんですか?」 律「・・・梓、ごめんな、嫌なら来なくていいからな?」グスッ 梓「あーもー!行きますよ!行けばいいんでしょ!?」 唯「うわぁ、あずにゃんがキレた!」 梓「めそめそしてる律先輩なんて律先輩じゃないですよ!ガラじゃねぇってんです!」プンスカ 唯「うーん、あずにゃんはやっぱりいい子だねー」ギューナデナデ 梓「へへへー」ポワ 紬「へへへー」ポワ 律澪「おい、ムギ、待て」 澪「よし、そうと決まればみんなそのまま予定空けておけよ?」 梓「っていうか」 澪「ん?なんだ?」 梓「今週の土曜日って・・・明日じゃないですか」 澪「あ、言われてみればそうだったな・・・」 唯「この部には天然じゃない子はいないんだね」 澪「う///」カァァァ 紬「いいじゃない、私はこうやってみんなでボケたりつっこんだりするのも楽しいわよ?」 澪「そ、そうだな」アハハハ 紬「つまり受けと攻め」 律「おい、待てって」 紬「つまり、5人はリバ可」 梓唯澪律「黙れ、変態」 … … その日の夜 唯「憂ー?」 憂「ん?なあに、お姉ちゃん」 唯「明日、みんなが遊びに来るんだー」 憂「そうなんだぁ!わかった、しっかりおもてなししないとね!」 唯「うん!よろしくね!」 憂「了解♪」 ブルルルル 唯「ん?メールだ。・・・澪ちゃんからだ」ピッ 明日はよろしくな!あと、念のため憂ちゃんには私たちが行くって黙っててくれ。 憂ちゃんが律を避けて、友達と予定入れちゃったりしたら台無しだからなー。 外に出られたら憂ちゃんの気持ち、確かめられないぞ? ま、唯でもそんなことわかるよな、ごめん。それじゃ、また明日な。 唯「」 唯「やべっ」 唯「憂ー?」 憂「ん?」 唯「あのさ、明日は・・・ずっと家にいる?」 憂「へ?いるよ?なんで?」 唯「本当!?」 憂「え、なんで!?なんでそんなに嬉しそうなの!?」 唯「よかったぁー!!」 憂「だからどうして!?」 唯「憂がりっちゃん避けてどっか行っちゃうんじゃないかと思ったの!よかったー!」ポヤー 憂「律、さん・・・?」 唯「やべっ」 憂「ねえ、明日律さんも来るの?」 唯「はい?なんのこと?」 憂「こら」 唯「あ、はい。りっちゃんも来ます・・・」 憂「・・・」 唯「えと、ごめん・・・」 憂「なんで?」 唯「へ?」 憂「だから、なんで?」 唯「いや、だって、りっちゃんも仲良しだもん、除け者には出来ないよ」 憂「それはわかるけど・・・」 唯「うん?」 憂「私と律さんを話させたいの?」 唯「(ぎくぅ!)・・・まさか、なんで?」 憂「いや、だって」 唯「そんなことないよ、ただ、憂ってりっちゃんのこと苦手でしょ?」 憂「う゛・・・」 唯「だから、嫌になってどっか行っちゃうんじゃないかなーって思ったの」 憂「う・・・さすがにそこまでしないよ、大丈夫だよ」 唯「そっか、よかった(・・・憂、りっちゃんが苦手って、否定しないんだ・・・)」 憂「じゃあお姉ちゃん、そろそろ寝たほうがいいんじゃない?」 唯「うん、そうだね。おやすみ!」 憂「歯磨いてからでしょー?」 唯「あちゃー、バレたかー」 … … 一同「お邪魔しまーす」 唯「おー来た来たぁ!みんなおはよう!」ゴロゴロゴロ 梓「リビングからなんか転がって来たっ!」 憂「みなさん、おはようございます」 憂「ほら、お姉ちゃんゴロゴロしてないで立って挨拶しよう?」 唯「うーめんどくさぁい」ゴロゴロ 憂「もーお姉ちゃんってばー」クスクス 唯「みんなーとりあえず上がってー?」ゴロゴロゴロ・・・ 一同「はーい」 … … 唯の部屋 唯「よし、とりあえず適当な話をしよう」 澪「ああ!・・・って、おい!!もっと大切な話があるだろっ!」 唯「ふっ甘いよ、澪ちゃん」 紬「どういうこと?」 唯「憂はすぐに飲み物を持って、やってくる」 ガチャ 憂「失礼します。みなさん、お口に合うか分りませんが・・・」 一同「(本当だ!) 憂「それじゃ、ゆっくりしていって下さいね!」バタンッ 律「」ポカーン 澪「・・・」 梓「唯先輩、流石です」 紬「すごいわね」 唯「えっへん!」フンスッ 澪「・・・じゃあ、もう話していいか?」 唯「いいや、まだだよ澪ちゃん」 律「・・・まだ何かあるのか?」 唯「うん」 ガチャ 憂「お待たせしました、適当につまんでください」ゴトッ 澪「憂ちゃん、ありがとう」 憂「いいえー。それじゃ、また何かあったら呼んでくださいねー?」バタンッ 唯「憂は・・・ジュースを持ってきた後にすぐ、お菓子をもってくる・・・」フッ 梓「・・・(得意げになって馬鹿みたい、可愛いけど)」 唯「それじゃ、話そうか」 澪「ああ」 紬「それで、どうするの?」 梓「今のところ、憂は律先輩のことが苦手ってことしかわからないんですよね?」 紬「ええ、そうなるわね」 律「どうしたらいいんだ?」 澪「私今から憂ちゃん呼んでくるわ」 律「って、唐突だなぁ!おい!」 澪「『律が呼んでる』って言ってくる」 律「やめろ、そんないきなり・・・!」 澪「その時の憂ちゃんのリアクション見てくる」 梓「で、でも・・・それで憂がこっちに来て、どうするんですか?」 澪「それは残ったみんなで考えておいてくれ」 唯「そ、そんなー」 澪「それじゃ、行って来るな」バタン 2
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ピロロロロ ピロロロロ 唯「今日も鳴り響く電話機の音」 唯「恐らくはさわちゃん。必死だね。テストも近いしね」 憂「それ以前に欠席しすぎだもん」 唯「うん、半分は休んでるよね」 唯「このままじゃ留年はまぬがれえないよ」 唯「どうすんの」 憂「どうするって言われても……我慢するしか」 唯「朝チューを?」 憂「あと、いってきまチューも」 唯「……つまり、こういうことかね憂さん」 唯「私は朝……どころか学校が終わるまで」 唯「憂とチューができないと……そういうわけですか」 憂「まあそういうことになるかな……」 唯「なるほどなるほど。それなら確かに遅刻せずに学校に行けるかもしれない」 唯「しかーし! はっきり言うけどね」 憂「うん」 唯「無理」 憂「だろうと思った」 唯「だってさ! 憂とチューしないと私の一日は始まらないんだよ!」 唯「そんな状態で学校行くぐらいなら、憂と一日中チューしてたほうがよほど勉強になるね!」 憂「意味が分かんないよ」 憂「それに今問題にしてるのは、留年どうこうの話でしょ?」 憂「とにかく学校にいけばいいんだから、頑張ろうよ」 唯「うぅーむ……」 唯「まぁ、まぁね」 唯「じゃあ私は我慢して学校に行くとしよう」 唯「でも憂は大丈夫!? 私は憂が心配! お姉ちゃんにチューしてもらえなくて平気!?」 憂「へいきだよ」 唯「いいんだよ意地張らないで、お姉ちゃんのためを思ってそう言ってくれるのは嬉しいけどね」 唯「私は憂が幸せなのが一番だからさ、憂がそうやって自分を押さえつけるところは見たくないの」 憂「いや、だから、私お姉ちゃんみたいなキス中毒じゃないし」 唯「憂なんてきらい」 憂「私はお姉ちゃんが大好きだよ」 唯「私も憂が大好き!」 憂「えへへ……」 唯「むふふー」 チュッチュッ ―――― 唯「……まぁ正直に言おう」 唯「憂とチューしないで学校行くなんて絶対に無理。我慢とかも無理、ありえない」 憂「そっか……」 唯「憂だってねぇ、我慢っていうくらいだし、キスしないなんて嫌でしょ?」 憂「でも学校……」 唯「嫌でしょ?」 憂「……そりゃあ、やだけど」 唯「うんうん、だよね」ナデナデ 唯「だから、キスしつつもきちんと学校に行く方法を考えよう?」 憂「ん……うん」 憂「でも、どうやって?」 唯「ふふ……私にいい考えがある」 憂「どんな?」 唯「基本的にはね」 唯「憂のチューが上手すぎるから、私ももっとチューをしたくなっちゃうんだよ」 唯「アイスのおかわりが欲しいのと同じでさ」 憂「お姉ちゃんだってチュー上手だよ」 唯「いいんだよ、憂……わかってるから」 唯「私にはキスだけで憂をイかせることなんてできないんだ……」 憂「そ、そのぶんお姉ちゃんの指テクはすごいから!」 唯「ふ……」 唯「とにかくね、憂がもっと下手なチューをしたらいいんだよ」 憂「私、いってきまチューはごく普通にやってるつもりなんだけど……」 唯「それでも気持ちいいの! もっと下手にやって!」 憂「う、うん、わかった」 唯「それじゃ、早速練習しよっか」 憂「えっ、練習? 下手なチューの?」 唯「そうだよ。もう1日だって休めないだろうし」 唯「これで明日憂がやったチューが良かったりしたら、私たち留年するかもしれないよ」 唯「万全を期さなきゃ、憂!」ガシッ 憂「じゃあ、するけど……お姉ちゃん、暴走しないでね?」 唯「どうかなー。憂があんまり可愛かったら犯しちゃうかも」 憂「……気をつけるね」 唯「憂、ちゅー……」ンー 憂「お姉ちゃんのほうが可愛いじゃん」 唯「はやくー」 憂「ん……」 チュッ 唯「んむっ」ピクッ 憂「……お姉ちゃん、どうかな?」 唯「!」キュン ガバッ 唯「ういっ」ギュッ 憂「わっ……だ、だめだった?」 唯「だめっていうか……」 唯「……良すぎちゃった」チュッ 憂「ふぁ……」 チュッチュッ スリスリ… 唯「ういっ、ういっ……」 憂「んうっ……れんしゅぅ、なのにぃっ」 ―――― 唯「ふぅ」ツヤツヤ 憂「はぁ、はぁ……」ホカホカ 唯「いやぁ、さすがにさわちゃんの電話攻撃もこの時間とあっちゃあ収まったようだね」ハハハ 憂「笑い事じゃないよ、お姉ちゃん……」 唯「まあまあ、気持ちよかったでしょ?」 憂「それはだって、お姉ちゃんだし……」 憂「……じゃなくて。これじゃダメでしょ!?」 唯「うぅ……だってぇ」 憂「……お姉ちゃんはちょっと我慢できるようにならないといけないね」 唯「憂よ、きみはジュッシーなステーキ肉が口の中に入っても噛まずにいられるのかい?」 憂「状況的に、お姉ちゃんはまだ生きてる牛を見ただけだと思う」 唯「私にとって憂とは、見ただけでおいしく料理して口にしたくなるほど愛しい存在なんだよ」 憂「それを我慢できるようになりなさいって言ってるの」 唯「ウフフ、もうつれないなぁ」 憂「……お姉ちゃんは、私のチューが上手すぎるって私のせいにしたけどさ」 憂「やっぱりお姉ちゃんの我慢がなさすぎるのが原因だと思う」 唯「そんなこと言ったって……」 憂「無理?」 唯「うん、絶対無理!」 憂「誇らしげに言わないの」ペチン 唯「あんっ」 憂「お姉ちゃん、練習よりも訓練しようよ」 唯「訓練?」 憂「そう、わかるでしょ?」 ファサッ 唯「おっ、憂がリボンをほどき後ろ髪を解き放った!」 憂「ちょっとじっとしててね」 唯「そして私の後ろに回り込むと?」 憂「よいしょっ」ギュッ 唯「リボンで私の手首を縛ったのだった!」 唯「う、うい……まさか訓練って……」 憂「うん、お姉ちゃんが思ってる通りだよ♪」 憂「両手縛った状態でたっくさんチューして、手出さずに我慢できるようになる訓練!」 唯「いいの、憂? そんなことして」 憂「なにが?」 唯「そんなことされたらお姉ちゃん死んじゃうよ? 幸せすぎて」 憂「大丈夫……そしたら私も、お姉ちゃんが可愛すぎて死んじゃうから」 唯「えへへ……」ドキドキ 唯「憂、ちゅー……」 憂「ん。下手なチューの練習も兼ねてるから、あんまり期待しないでね?」 唯「いいから、早く……」 憂「……かわいいっ」ギュッ ムニュ 唯「んぅっ」 憂「はぁ、んふっ……」チュゥチュッ 唯「う、ういっ!!」ジタッ 憂「あ、ごめん……焦りすぎちゃった」 唯「はぁ、はぁっ……憂ぃ」トロン 憂「お姉ちゃんはちゃんと我慢してね?」ニコニコ 唯「ん、んっ……」 憂「お姉ちゃん……」 チュッ 唯「ふぁう」 チュッチュッ チュー… 唯「んんぅっ……んぅいっ!」ビクビクッ 憂「がまんがまん」ナデナデ 憂「お口開けて? お姉ちゃん」 唯「ぁ……ぁー」フルフル 憂「おねえちゃん……ん」ピチャ ピチャピチャ… チュ 唯「んあっ……はあっ!」 憂「お姉ちゃん、おねえちゃぁ……」ヂュ、チュゥ 唯「んや、らぁっ!」ゾクンッ 憂「おねえちゃん……おねえちゃんっ」 唯「んー! んんーっ!!」ビクビクビクッ スルッ 唯「はあ、はあ、はぷぁ……」 憂「……えへへ。かわいいかわいい」ナデナデ 唯「んう……」ギュッ 憂「ちょっとベロちゅーしただけですぐイっちゃって……」 憂「ほんとにお姉ちゃんはキス中毒だよね」ナデナデ 唯「憂のチューが上手いんだもん……」 憂「照れるよもう、お姉ちゃん……」チュッ 唯「んっ……」ギュッ 憂「……ん、あれ?」 唯「どした?」 憂「いや、その……なんでお姉ちゃんは私を抱きしめられるのかなって」 唯「あ、ほんとだ」ギュッギュッ 憂「ほ、ほどけちゃったのかな?」 唯「そうみたいだねぇ?」ニヤニヤ 憂「……あの、お姉ちゃん、もう、夜も遅いし……」 唯「うふふ……私を姉と知っての言葉かね、憂!」 唯「姉と言う生き物は、一度抱きしめた妹は離さないのだよ!」 憂「テンション高いよぉ」 唯「さっ」グルン トサッ 唯「おっぱいがいいかな? それともあそこからがいいかな?」フゥッ 憂「……っ」ゾクッ ―――― よくあさ 唯「すくー……」 憂「お姉ちゃん、起きて! 起きて!」 唯「んぁ?」 憂「もう10時だよ! おもいっきり遅刻!」 唯「10時……まだ朝チューには間に合うね……」ンー 憂「そういう問題じゃ……んっ」 チュッ ピチャ 唯「ういー」 憂「ぅあっ……」 唯「んー、かわいかわい……」チュパチュパ 憂「おねぇ……んはっ」 唯「うーいっ」スッ クニュ 唯「ぬれてる……」 憂「だぁ、って」ビクッ 唯「おいで。なめたげるから」 憂「……うん」 シュル 憂「……んっ」 憂「はぁっ……あっ」 憂「んくっ……うううううっ!!」 2
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お姉ちゃん!! By旭ゆうひ トップ > SS置き場 「お姉ちゃん!!」 宇津帆島のとある屋敷、学園生徒からは「葉車屋敷」あるいは 「人形屋敷」と呼ばれる日本家屋に洋館を造設したような そんな屋敷の一室でこの屋敷の主である女の子――― かつての女の子は時を経て、今や麗人と称されるようになった ―――麗人は風呂上がりの牛乳を傾けつつ 妹から送られてきたデータを確認しようとしていた。 このデータは発展著しい「葉車グループ」の紹介のために 「十人会議」で話し合い、葉車の現会長である父、京一の承認を経て 発案者である末の妹、 十美恵(とみえ)の管轄としてスタートしたプロジェクトである。 要は、家族会議で決まったお家紹介動画である。 がしかし、そこは世界の「葉車」ちゃんとしたものでなければならないと 気合いを入れて作ったのがこれである。 これと同じものが動画内で紹介されている祖父、父母、兄妹へと配られ 本人たちによるチェックを受けるのだ。 それが今、この屋敷の女主人の前にある。 メイドが傍らの端末を使い、 広間に特設された100インチのモニターに動画を映し出す。 モニターに映るのはポップな感じでデザインされた 『はくるまグループってなぁに?』だった。 広間にはこの動画を見るために主だった使用人たちが集められていた。 彼らの顔には若干の困惑が浮かんでいた。 今やメイド長となった大名東が、女主人の肩へストールをかける。 湯冷めを心配しての事だ。 女主人はそんな大名東へ振り向くと、目礼によって感謝を表すのだった。 広間に流れるオープニング曲 モニターには 「作詞・作曲 大松耕輔 歌 不明 」 どうやら選ばれたのは「葉車の子よ永遠に」という社歌だった。 この曲は創業当時から使われており やたら勇ましく壮大でそして「葉車」を連呼する内容になっていたはずだ。 いまでも現場では謳われていると聞く。 ♪「あおげば~しょうきゅうの~かなた~ほしのぉむこうまで~」 声から察するに、幼く舌足らずな女の子が一生懸命に歌っているのだろう。 ♪「はくるまのぉあるかぎ~り~こうこくの~いやさかよ~」 この場に集まった使用人達は 女主人が物心ついたころから仕えている。 この歌声が誰なのかを察することができないのは 当の本人ばかりだった。 曲も終わり いよいよ本編がスタートする。 モニターの中で着物姿の美少女が深々とお辞儀をし 女主人にとっては久しぶりとなる、その微笑みを 浮かべているのだった。 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 私の名前は「葉車 十美恵(はくるま とみえ)と申します。 「葉車グループ」あるいは「葉車財閥」と呼ばれる、あの「葉車」です。 この映像を見ていただいている皆様には今更でございますね。 皆様は「葉車」と聞くと何を連想するでしょうか? 「誕生から死後の世界まで」? 「爪楊枝から宇宙ロケットまで」? それとも……「影のフィクサー」? 「死の商人」なんておっしゃる方もいらっしゃるようですね。 (モニターの 十美恵は苦笑している) 私共「葉車」は取り扱うものにこそ広く宣伝を行ってまいりましたが 「葉車」自体を述べることは、してまいりませんでした。 そこで本日は「葉車」とは何かを、紹介してまいりたいと思います。 (微笑みを浮かべる 十美恵は画面右下にワイプとして表示され) まずは「葉車の歴史」、順に「葉車の血脈」「葉車の組織」「葉車の未来」と章を分けてご紹介いたしましょう。 (と読み上げて今後の進行を紹介していく) (中略) 「葉車の血脈」 「葉車の五女:九重(ここえ)」 2008年09月09日生まれ。 葉車 京一(けいいち)の5女、9番目の子として生を受けました。 私の一番近い姉でございます。 (九重の幼少期からの写真や動画が次々に映し出されていく) 名前につく「重」からわかるように、嫡出子でございます。 昔は色々あって仲が良いとは言えませんでしたが、 今ではすっかり仲の良い姉妹でございます。 本当ですよ? (この年の初めにリモート会議を行った時の兄弟たちの笑顔が映し出される) では、ご紹介を始めると致しましょう。 (まるで歴史番組のように十美恵が司会進行していく) 私が始めて兄姉を事を知ったのは私が6歳の誕生日でございました。 私は前述のとおり庶子でございますから、 嫡出子の兄姉をはじめ他の庶子の兄姉たちの事も その瞬間まで知らされていなかったのでございます。 私の詳しいことは次章「葉車の六女: 十美恵」にて紹介させていただくとして 当時は父母と私の3人家族だと思っていたところに一気に9人もの兄姉が増えたのです。 その中で一番、年の近い九重お姉様に、勝手ながら親近感を覚えておりました。 葉車本家で行われる新年の挨拶にて、ご紹介いただけるということでとても楽しみにしていたのを覚えています。 しかし、九重お姉さまだけでなく他の兄姉の皆様も新年のあいさつには現れませんでした。 上の8人の兄姉様たちは遠方のしかも、全寮制の学園へ入学されているので しかたないこととあらかじめ聞いておりましたけれど…… 九重お姉さまに至っては、「お会いするのを楽しみにしています」と何度もメールを送ったにもかかわらず全無視……。 そのうえ新年のあいさつの3日前に学園へ出発。 当時の私からすれば【嫌われている・避けられている】と思ってしまうのも無理はないと思います。 九重お姉さまに対して、敵愾心を抱くようになるきっかけだったのだと思います。 しかし、実際のところは当時からお姉様は「葉車の超天才お嬢様」と 呼ばれて多忙でございましたし、 お姉さまを取り込もうとする邪な者らの蠢動もあり お姉さまの周りは堅く守られておりました。 ですので私が母のスマホをこっそり借りてメールを送ったとしても、 お姉様の目にとまるのは不可能だったのでございます。 九重お姉さまは当時はまだ9歳。 チビで未発達のお子様でございましたし――― (大名東はこの時主人のこめかみがピクリと動いたのを見た。後でプリンを用意しようとこころのメモに記したのだった) ―――メールの管理は周りの大人が行っていたからと 後々になって知るところでございました。 それからというもの、九重お姉さまに直接お会いすることが出来ないまま10年が経ち 私の「九重お姉さまに対する親愛の情」はすっかり「九重に対する敵愾心」に代っておりました。 しかし、勘違いなさらないでいただきたいのです。 「葉車の兄妹」は皆さま個性的ではございますが、とても素晴らしい方々です。 特に「葉車の人形使い」と呼ばれる九重お姉さまは誤解されやすいのです。 必用なこと以外しゃべりませんし、見た目が良いことを自覚してるからコみゅにゅケーションを、進んでとるまでもないと思っているのでしょう。 (大名東はプリンのほかにフルーツゼリーを追加することを決めた瞬間だった) ご存知の方も多いと思いますが 九重お姉さまの専門は「人体の代替部品の研究と開発」でございます。 これは、疾病や事故、老化等により、 機能不全や欠損となってしまった部位を絡繰部品で補完するというものです。 (モニターの少女は誇らしそうに紹介を続ける) 今やこれらを応用する「汎用外骨格」や 「自立式多脚汎用からくり人形」などは日常的に目にすることとなっております。 しかし、これら「汎用外骨格」は「戦闘用強化装甲外骨格」となり 「自立式多脚汎用からくり人形」は「自立式多脚砲台」として我が国の国防軍にも配備されています。 「技術というものは根幹を一人の天才が作り上げ その枝葉を秀才たちが広げていくもの」 と私は思っております。 その枝葉の一枚がどのようなものであれ、そのすべてを否定するのは間違っていると私は思います。 こういったことを理解しない愚鈍な活動家などは――― (モニターの少女から激しい感情が伝わってくるこれは……) ―――九重お姉さまを「悪魔」だの「悪魔の人形」などと蔑みますがーーー (そう、これは怒りだ) ―――九重お姉さまほど、私たちの事を、未来を、真剣に考えている方はおりません。 (姉を侮辱する者に対しての怒り) (大名東は主人へハンカチを差し出す事を忘れない) 九重お姉さまの学生時代といえば、 9歳から高校へ通い、在学中にいくつもの発明をされた事でも有名です。 (新入生争奪戦の様子を写した写真が紹介される) しかし、お嬢様の学生時代は研究ばかりしていたわけではありません。 他の兄姉様方と同じように、友人やクラブ活動等に青春を燃やしておられたそうです。 当時のTV番組のマスターデータがありますので、ここで少し見てみましょう。 (TV番組が映し出される) 画面に「葉車の超天才お嬢様!(13)ついに番組へ登場!」とテロップが浮かび 画面の袴姿の美少女は深々とお辞儀をしていた。 蒼い髪の女性キャスターも手慣れたもので、出演者を紹介していく。 そんな中で画面が変わり 「やっ やぁめろぉおおぉぉぉ!!」と九重がジャイアントスイングで 振り回されているのが映る。 シーンが変わり 全力で高い高いされた九重が宙を舞い 挙句に「おろろろろ」と美少女の口から出はいけないものが ばっちりと映っていた (画面はスタジオの十美恵へもどる) このように、お姉さまは青春を謳歌され (悪戯をやりとげた小悪魔のように微笑みながら) 今もなお学園内にある研究施設で、研究を続けておられます。 入学当初はチビで、未発達なお姉様でしたが 今はモデルも裸足で逃げ出す美貌のお姉様となられました。 私は今年で16歳。 お姉さまのご自宅にお部屋を借りて学園へ通う事となっております。 (この瞬間のこの場の空気を表現するならたったの二文字 『!?』と。) ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ つぎの瞬間、モニターはザッと乱れたかと思うと 学園の制服を着た十美恵が立っていた。 「ヤッホーお姉さま! 動画どうでした?……あれ? おねぇ様のお姿が見えないんですけど?」 少女はカメラに顔を近づけて「おーいおねーさまー?」 どうやらライブで繋がっているらしい。 どうやってこの状態を作ったのかは不明だが 「おねーさまー? んー?」 少女はカメラの横の端末を操作してる様子。 「あーカメラもマイクもついてないじゃん! おねーさまの端末ふっる! 受けるんですけどwww まぁいいやw、動画は再生されたってのはこっちでモニタリングしてるから だいじょうぶでしょう! というわけで! 明後日にはそっちへつくから! よろしくね!」 と、嵐のように伝えたいことを伝えるとプッっと画面が戻り 『はくるまグループってなぁに?』【九重編】の終わりが告げられていた。 場の空気が「!?」のまま固まっていると 誰かの吹き出し笑いの声がする。 この場にふさわしからぬ楽し気な笑い声が聞こえる。 使用人たちは誰が笑っているのだろうと視線をめぐらし その声の主を見つけ出す。 久しく聞いていなかった笑い声 それは、政治や社交界の場で見せることのない 彼らの主人の、こころからの笑い声だった。
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◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ――――Piece12◇孕んだ悪(波瀾堕落)―――― ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ 「一発殴る」 「……っ」 狭山の背中が見えなくなった頃。 丹羽雄二は、須藤凛の胸倉をつかみ、頬を拳骨で一発殴っていた。 須藤は逆らうこともせず、素直に一発もらっていた。 ――喧嘩慣れしている須藤にとって、その拳を避けるのは、本来そこまで苦ではないはずなのに、だ。 胸倉を掴まれているため、吹っ飛んで勢いを殺すこともできない。 ありがままの丹羽の拳を、一身に受ける。 嫌な音がした。もしかしたら何処かの歯が折れたのかもしれない。 力仕事をしている丹羽の拳は、決して軽くない。 「……」 「……」 「……」 天王寺はその様に何を言うわけでもなく、静観する。 丹羽が殴る理由も、なんとなく察することが出来るし、須藤が先の様な言動を取った理由も――どことなくだが、掴めている。 天王寺だって、ついさっきまでは似たような態度を取っていたからである。 自らの忠誠心に従って、他人の言葉に耳すら傾けず、他者を排斥しようと奮迅した。 それが自分の本心じゃないと知らずに。機械と言うよりも、傀儡を演じた彼女は少なからず通ずるところはあると、一方的にだが思っている。 故に、どちらの味方もしない。 ただ見つめる傍観者。 ――自分の方針を定める為の、観測者。 丹羽は須藤の胸倉から乱暴に手を離す。 立つ気力は尽きたのか、須藤は重力に従い尻を地に付ける。 放心した、それこそ人形のように生気を感じさせない須藤を、鑑定するかのように見つめる丹羽。 「ふん」 息を吐く。 蔑視しているわけではなさそうだが、だからといって天王寺の時の様に同情――いや、改善させたいと言う気持ちを抱いている訳ではない。 今のこの現状は、紛れもなく、六割方須藤凛が悪いのだ。 阿見音という異分子の介入が、方針の大方を占めていた天王寺とは事情が違う。 ただ、それでも見捨てると言う行為が出来なかった彼は――お人好しと賞するべきか、バカと貶すべきか。 「須藤、俺はお前の事を何も知らねえよ。今回の事は、お前のあずかりしらないことだろうけど、俺にも責任がある。 だからお前を責めたりすることなんて出来ねえんだ。だから、今殴った事は本当に、申し訳ねえ」 「…………」 「もう過ぎたことを責めたってしょうがねえ事も分かってんだ。もうこれ以上俺はお前を責めたりしない」 「…………」 「でもな須藤、投げっぱなしで終わったら、もうそれを取り戻すことはできないぜ。 取り戻そうって頑張れば、取り戻すことだってできるんだよ」 丹羽の語らう姿を須藤は耳朶に入れているか入れていないか定かではないが、反応はない。 天王寺には、彼に心情がどういうものかわからない。 狭山に酷い事を言ってしまった後悔か。 狭山に酷い事を言われてしまった衝撃か。 浅倉を死なせてしまったことの懺悔か。 あるいはその全てか。あるいはそれとはまた別なのか。 ――会ったばかりの天王寺でさえ、須藤は「たくさんやらかした」んだと、憶測させるに十分だった。 「俺は、お前らの酸いも甘いも噛み分けることはできねえよ。お前らの仲を繕うことが出来んのはお前らだけだってこと、忘れんじゃねえぞ」 天王寺は傍で、丹羽の言葉を噛みしめる。 自分と阿見音弘之との関係性を顧みる。 天王寺と阿見音の関係は、破綻したわけではない。 それでも、天王寺は現に――阿見音の為ではなく、天王寺自身の為に動いている。 これを見たら、知ったら、阿見音はどのような言葉を言うだろう。 ――いや、それは考えるまでもなく、容赦の欠片もなく、阿見音は天王寺を切り捨てるのだろう。 そうなったら、天王寺は、どうなるのだろう。 人殺しは――やりたくない。阿見音には――捨てられたくない。 揺れる二つの思い。 須藤はきっとこんな気持ちなのだろうか。憶測では無い、ただ自分と彼を重ねただけの行為を経て、天王寺は特に何も思わなかった。 そんなこんな意識を外に置いていると、丹羽は苦虫を噛みしめたような顔で天王寺の手を掴んだ。 「行くぞ、天王寺」 「話は、終わったんですか」 「始まってもねえよ。――俺はもう一回こいつらを再会させなきゃ、あかんだろ?」 「それは私には分かりません」 「そっかよ」 「ところで、どうして私の手を掴むのですか」 「どうしてって、一緒に来てもらうためだろう。約束したじゃねえかよ」 自分のしたい事――を平然と言う丹羽に少しの呆れ、仄かに感じる温かさ。 自分のしたい事で悩む天王寺を前に――自分のしたい事をやって失敗を犯した須藤を前に行うはあまりに酷な、その行為。 それでもこの男には嫌味がなくて、ただ純粋に、この二人に怒って、心配して――その男を、頼ってもいいかもしれない、という本来あってはならない心が芽生える。 「……それじゃあ、行きましょうか」 「ああ、狭山を追いかけよう」 二人は沈む須藤の姿を、一度俯瞰し――狭山の消えた路地へと視線を移した。 最後に、丹羽は言った。 「じゃあな、須藤。また会おうぜ」 そして二人もまた、路地裏へと消えた。 残ったものは、須藤凛と――臥せた三体の身体。 内の一体、浅倉翔の死体を見て、須藤の瞳から輝きが失せた。 □ ■ □ 一人、須藤凛が絶望を噛みしめている最中。 彼の元に来客――もとい、帰還してきた人間がいる。 ダークスーツに陰気臭い顔、参加者なのに首輪すらしない囚われない無法の者。 銀丘白影だった。 「ふぅむ……」 目の前の惨状――彼の目からすれば或いはどうということでもないが、目の前に広げる光景に思わず言葉を漏らした。 須藤凛は、銀丘が返ってきたにもかかわらず死体の近くで言葉もなく跪き。 その須藤凛の近くで倒れている死体と言えば、須藤と同じ制服を羽織っており。 加藤清正は、銀丘が最後に見たそれよりだいぶ悪化した状態で横たわっている。 唯一変わりなく思えた、璃神妹花と言えば未だ寝息を立てているようだ。 なにかがあった事は、間違いなさそうである――。 「まあ、支障はない」 だが。 あくまで合理主義な彼は冷たく彼らを見捨てる。 銀丘白影は、一刀両断がこのグループを脱した瞬間に、縁を切ったのだ。 理由と言えるほど上等なものなどない。純粋に、彼らに付くことに安全性が失せたから。 加藤清正は騙すに容易い男で利用もしやすかったが、小神さくらの攻撃をまともに受け、戦闘をすることも簡単ではないことも想像ついた。 加え、銀丘からしてみれば気に食わない相手でこそあったが、実力は確かな一刀両断すらも離脱するという。 ――完全に須藤の傍らに身を置く理由はなくなったのだ。いたところですることは、子供の御守。――やってられないというのが、隠すまでもない本音。 「さて」 一言思考を区切るように呟くと、彼は動いた。 軽い歩調で須藤の傍らに立つと、同田貫正國を拾い上げて刃を確かめる。 どうやら、欠けているところはないようだ……。 と、一つの目的を達し、溜息を吐くとふと、彼の足元付近から声がした。 「あんた……」 「……む?」 暗い、淀んだ――いやその程度では生温いほど心地悪い沈んだ声。 とても数時間ほど前、あのグループを纏め上げた少年と同一人物とは思えないほど変貌した声に流石の銀丘も躊躇いを見せる。 「今まで何処に行ってた……。あんたがいれば少しぐらい……ッ! いや、こんなことには……」 本当に何があったのだろうか。 今ばかりは銀丘の興味もそそられた。 芯だけはしっかりとしていた少年をここまで改革する出来事とは如何に。 とはいえ、訊ねてまで聞きたいかと言えばそうでもないのだけれど。 素直に須藤の質問には答えておく。ただのきまぐれである。 「今まで俺は、お前が言っていた死体の処へ行っていた。……首輪のサンプルがあるとはいえ、これがインチキじゃないとは限らないからな。予備をもっておくに越したことはない」 発言に偽りはなかった。 彼は大塚英哉の場所に足を運んでいたのだ。 実のところ、須藤が――飯島のために死体を見せないために提案した時から、この考えはあった。 なんの支障もなければ素通りをしていたが、丁度いい事情が出来たために、彼は足を向けたというだけのこと。 誰よりも胡散臭い男に訝しがられるのも人無のカリスマの無さはそれこそ常人のそれを超えているのかもしれない。 「……ふーん、じゃどうして戻ってきたんだよ」 須藤の言葉から滲み出る敵意……否、八つ当たりの念。 怨めしそうな声色こそしているが、顔は一向に死んでいる少年、浅倉翔を向いて動かないので、立っている銀丘からは表情は読めない。 ……それでも恐ろしくその顔は歪んでいるであろうことは、想像に難くない。 銀丘は刀をディパックに仕舞い込みながら、呆れた口調で須藤の問いに返す。 「いや、恥ずかしい話ではあるのだが私は一つ勘違いをしていてね。……ついつい懐にあると思っていたナイフを没収されていたようなんだ」 ある世界、或いは時系列。俗に言うところのパラレルワールドに置いて。 常人――それすらも軽く超す異常性を有す楓坂闇薙とそれらに類する人物でさえも、見抜けなかったナイフの所在を人無は見抜いたということは銀丘にとっても予想外だった。 曰く、只のナイフと侮るなかれ、構成する物質から何から何まで吟味して作り上げた銀丘白影の自信作の荒事処理用の折り畳みナイフ。 それが盗まれたのは、銀丘にとっては痛いところである。 故に――と、銀丘の話は続いた。 「故に私は、加藤が持っていた刀を手に入れようと思ってな。――用途は無論、首の切断だぞ」 息を飲むというわけではなく静かに銀丘の言い分を聞いた須藤は力なく頷きを返すと、返事のないただの屍のように、虚空を据えていた。 つまらないものだな、と須藤に一瞥をくれると、彼はその場で耽る。 これからの行動に付いて、一旦心のうちで整理をしておきたかった、と言うのと同時に、純粋に身体を癒すためである。 (さて……これからどうしたものか) 手足を伸ばしながら、彼の脳は問題なく稼働する。 彼の視線の先には、小柄の少女が一人。――璃神妹花。 (あの少女をどうするべきか) 元よりこの一時的という形になってしまった六人パーティを結成する際、銀丘をはじめとして須藤や加藤でさえも懸念していた一つの危険因子。 それが彼女。 「うにゃー」という人知の範疇を超える《異常能力(サイキック)》という存在。 仲間で止まっていれば、彼も特別手出しをするつもりもなく、あくまで須藤らに世話係を任せるつもりであったが、 縁を切った今となれば、このままみすみす見逃すのは、如何なものなのだろうか。 人喰らいの触手。 正直、銀丘の攻撃が届くかどうかと言われると、彼自身自信を持って頷くことができない。 相手が固体のものであれば、力技で粉砕することは幾ら固かろうと数を以て粘れば、勝機は少なくはない。 しかし相手はあくまでゲル状。――対戦車ライフル、それに銀丘の爆弾でさえ、吸収してしまうのではないかと言う存在もまた無きにしも非ず。 付け加え、銀丘の攻撃は決して無制限に打てるわけではなく、ストックと言うものがある。 殺すのであれば、今、気を失っているこの時に殺すのがベストとも言えよう。 ――ただ。 (それでも、ここで野放しにしておいても、得がないわけではない) 殺すの一択しか視界に入れないようでは、あまりにも迂闊だ。 たとえばここで、殺さない場合の選択肢を選んだ未来を想像しよう。 璃神妹花は銀丘の目から見ても、異常なまでの精神的不安定さを有していた。 それもかなりの人間不信を抱いていることは、『丹羽雄二(早野正昭)』と対面した時の彼女を想起したら考え至るに容易い。 そんな彼女が、この場の景色を一目みて、どう思うのだろうか。 須藤凛。 一応は「お兄ちゃん」と慕い、数少ない《人喰らいの触手》を曲がりなりにも受け入れてくれた『何の変哲もない』人間。 そんな彼が、切羽詰まった顔をして、悲観に暮れていたら。 もっというなら、彼の傍らに転がる正真正銘、死を迎えた身体というワンアクセントが付属としてついてくる。 分かり易く、惨状を表現する舞台に目覚めて、彼女は何を思うのか。 加藤清正。 銀丘が出会う前から行動を共にして、それなりに順当に歩みを進めていた彼らの関係性。 恐らくは加藤の寛容さから生じた結果なのであろう。実際加藤は先の六人の中で一番心穏やかな人間であった。 『丹羽(早野)』と対面した際、彼は璃神に人とは何たるものかを説いていたものだが、今はこの状態。――矢が刺さり、銃弾に穿たれた。 人の凶悪性を知っていながら、凶悪性を否定した彼の末路を見て、璃神は何を思うのか。 ――答えは明確。 そんなもの、改めて彼女は人間に対して、失望を覚えるに違いない。 何も失望の矛先が須藤や加藤に向かうとは限らないとはいえども、他の参加者に敵意を顕わに《人喰らいの触手》の猛威を揮う可能性は重々ある。 銀丘ですら倒すのが困難な相手――例としてあげるなら人無結が最初にあげていた『ジャック・ザ・リッパー』なんかを楽に倒してくれるかもしれない。 璃神妹花の力は確かに強大なものであるが、所詮は子供。 精神に毒を加えるのには、このぐらいでも十分なくらいである。 ノーリスクで、ハイリターン、或いはノーリターン。見過ごしたところで、損することは何もない。 強いて言えて、後々彼が優勝まで目前と言うところまで生き残った時、彼女がまだ生きていたら対処が面倒になるだけの話。その時はその時である。 (――――さてはて、私はこれからどう立ち回るべきか) 彼の目の前に、再三現れる選択肢 ――ジョーカー。 ――偽善の勇者。そして独善の勇者。 ふむ。 と一つ息を漏らし、どうしたものかと疲弊まじりの溜息を立てた瞬間――――。 「あなた……銀丘白影さんね」 赤い髪の女と、三十路を越えたかどうかの精悍な面をした男が、現れた。 男の首を見て、銀丘は眉を、僅かにひそめた。 悪性を孕ませた須藤を前に、再三参加者が集い――戦乱を巻き起こそうとしていた。 須藤は何も言わずに、ただただ沈黙を保ち、浅倉翔を労わった。――そして、弔う。 波瀾万丈な堕落劇も、一旦これにて閉幕だ。 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ――――Epilogue◇終劇挽歌(襲撃/万化)―――― ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ 【C-6/市街地/一日目/昼】 【飯島遥光@数だけロワ】 [状態]:不明 [服装]:永劫学院の女子制服 [装備]:なし [道具]:基本支給品一式、不明支給品1~3 [思考] 基本:生き残る 1:……? [備考] ※数だけロワ参加前からの参戦です。 ※石川清隆の外見のみ記憶しました。 ※須藤凛が年下とは知りません 【須牙襲禅@俺のオリキャラでバトルロワイアル】 [状態]:不明 [服装]:警察の制服 [装備]:イングラムM11(32/32) [道具]:基本支給品一式、イングラムM11のマガジン(2)、ランダム支給品×2、照り焼きバーガー入りタッパー(残りわずか)@四字熟語ロワ [思考] 基本 人を撃つ事を楽しむ。 1:……? [備考] ※ロワ死亡後からの参加です。 ※鬼一樹月、天王寺深雪の外見のみ記憶しました。また、鬼一は死んだと判断しました。 ※被検体01号を化物と判断、そしてそれに伴い被検体01号並の敵も倒せるもっと強力な武器があると判断しました。 □ ■ □ 【一刀両断@四字熟語バトルロワイアル】 [状態]:肉体的疲労(中)、肩に掠り傷 [服装]:特筆事項無し [装備]:模造刀 [道具]:基本支給品一式 [思考] 基本:紆余曲折の盾になる 1:須藤との約束を果たす 2:紆余曲折、切磋琢磨との合流(紆余曲折を優先) 3:しばらくたったら須藤らと合流。ただし銀丘、テメーはだめだ 4:頃合いを見てA-6に向かう [備考] ※四字熟語ロワ23話「仲間意識」で刀を取りに行ったところからの参戦です。 ※小神さくらの外見のみ記憶しました。 ※四字熟語のルールは規制されていません。 ※ジョーカーの存在、および銀丘白影に疑心を抱いています □ ■ □ 【早野正昭@個人趣味ロワ】 [状態]:右手骨折、全身にダメージ(中)、精神疲労(大)、衣服が血塗れ [服装]:特筆事項無し [装備]:M4カービン(16/30) [道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~2 [思考] 基本:優勝して自らが殺した全ての人間を蘇らせる 1:当分は替えの衣服を探したい。 2:対主催グループに潜入して、隙を見て一網打尽にする [備考] ※個人趣味ロワ、死亡後からの参加です □ ■ □ 【東奔西走@四字熟語バトルロワイヤル】 [状態]:健康 [服装]:特筆事項なし [装備]:なし [道具]:基本支給品一式、ランダム支給品×2 [思考] 基本 殺し合いを潰す。 1:一先ずは狭山雪子と他二名に追い付く。狭山が南北に行ったのならば協力者を探す。 2:出来ることならタクマを探す。 3:二人(行木団平、ジャック・ザ・リッパー)には警戒しておく。 [備考] ※四字熟語バトルロワイヤル、死亡後からの参加です ※ルール能力により東西にしか移動できません 【小神さくら@俺のオリキャラでバトルロワイアル2nd】 [状態]:活動に支障をきたさない程度の全身打撲、左足に裂傷(処置済み・行動に若干の支障あり) [服装]:特筆事項なし [装備]:クロスボウ [道具]:基本支給品一式、クロスボウの矢、ランダム支給品1~2 [思考] 基本:殺し合いを遂行する。 [備考] ※俺のオリキャラでバトルロワイアル2nd死亡後からの参加です ※支給品は確認しましたが、武器はもう残っていないようです □ ■ □ 【狭山雪子@変哲もないオリキャラでバトルロワイアル】 [状態]:精神不安定 [服装]:三日月中学の女子制服 [装備]:なし [道具]:基本支給品一式、カッター、スタンガン、ランダム支給品×3 [思考] 基本 殺し合いには乗らない? 1:…………。 2:須藤くん……? 浅倉くん……? [備考] ※変哲もないオリキャラでバトルロワイアル参加前からの参加です ※支給品に武器の類はない様です □ ■ □ 【丹羽雄二@DOLオリロワ】 [状態]:健康、決意 [服装]:パーカー [装備]:イングラムM10(28/40)、 [道具]:基本支給品一式、携帯電話、お風呂セット、 コンドーム数十個、防犯ブザー、チェーンソー、現地調達品[市街地](X)@その他、ランダム支給品(1~4) [思考] 基本:殺し合いに乗るつもりはない 1:河田遥を探す。 2:俺がしたい事をする 3:天王寺深雪と行動、殺人をしようとした場合は容赦はしない 4:狭山雪子を探す [備考] ※DOLオリロワ死亡後からの参加です 【天王寺深雪@愛好作品バトルロワイアル】 [状態]:不安 [服装]:白のワンピース、スクール水着 [装備]:アンテニー・ダガー [道具]:基本支給品一式 [思考] 基本: 私のしたい事を探す 1:狭山雪子を追う 2:阿見音様は…… [備考] ※ロワ参加前からの参加です。 ※須牙襲禅の外見のみ記憶しました。 □ ■ □ 【被験体01号@新・需要無しロワ】 [状態]:浅倉に対する多少の罪悪感。左腕、脇腹からわずかな出血 [服装]:特筆事項なし [装備]:鶴嘴 [道具]:基本支給品一式、栄養ドリンク(残り9本) [思考] 基本:あいつの鼻を明かしてやるぜ。殺人は……あんまやりたくないな 1:……こいつも首輪がない? 2:とりあえず落ち着くまでは稲垣葉月の保護。 3:この場を鎮める。 4:あの獣(須牙襲禅)とはもう会いたくねぇな [備考] ※ロワ参加前からの参戦です ※ジョーカーの特権として、首輪を装着していません 【稲垣葉月@新訳俺のオリキャラでバトルロワイアル】 [状態]:右頬に切傷、怒り、精神疲労(中) [服装]:特筆事項無し [装備]:なし [道具]:基本支給品一式、治療道具、ランダム支給品1~3、 [思考] 基本:レックスに会いたい、死にたくない 1:この男(銀丘白影)を止める。 2:翔君……。 3:これが終わったら凛君とお話しする [備考] ※新訳俺オリロワ参加前からの参戦です。 ※高原正封の外見と名前を記憶しました。 ※須牙襲禅の容姿のみ把握しました。 【銀丘白影@サイキッカーバトルロワイアル】 [状態]:健康 [服装]:特筆事項なし [装備]:なし [道具]:基本支給品一式、ガソリン(5リットル)、首輪のサンプル、ラハティL-39(10/10) [思考] 基本:今はどうだろうな 1:……首輪がない? 2:一回目の放送までには『ジョーカー』か『偽善の勇者』かを決める 3:必要なくなりそうなので瑠神を排除する [備考] ※ロワ参加前からの参加です ※主催者と契約した『ジョーカー』なので首輪の解除と支給品での援助を受けています □ ■ □ ザーザーザー…… 『――あーあーテステス。ちゃんと撮れてるかなこれ。まあいいや、撮れてると信じよう』 『仮にこれを聞いている奴が須藤以外の人間だったとしたら、ここで即刻電源を閉じて須藤凛って奴に渡してくれ。ハズいから』 『…………』 『いいな、部外者は切ったな? 信じてるぞ? その良心に』 『さて、じゃあ須藤凛。俺だ。浅倉翔。ちゃんと記憶してるか?』 『俺は今、一刀両断さんらにお前の居場所を教えてもらって向かっている最中だ』 『さっきまでは稲垣葉月さんって人が一緒にいたけど、今は一刀両断さんらに面倒見てもらっている。つまり俺は一人。好き勝手ハズいことだって言ってやるよ』 『あ、ハズいつったってあれな、愛の告白とかじゃねーかんな? 期待すんなよ? 言えて酷く薄い酷薄だぞ?』 『……っと、まあ、あれだな』 『須藤、お前がこれを聞いているとき、お前がどんな事をしているかは知らん』 『一刀両断さんが言うにはお前は健気に殺し合いに対抗しているらしいから、あんま心配してないけど――仮にお前が殺し合いに乗っていたところで俺はそれを咎めるつもりはない』 『咎める資格もねえしな。まあそんなことを踏まえつつ、あんな襲うような真似をしておいて都合のいいことこの上ないけど聞いてほしい』 『まずは須藤』 『お前も災難だったな。ふと前の殺し合いから目を開ければ違う殺し合いだなんて、本当救えねーよな』 『そんで難易度急上昇ときた。馬鹿げてるにも程がある』 『これじゃあよ、お前を襲った意味も――龍磨を殺しちまった意味もない――誰が望んだんだよこんな畜生展開』 『お前も見ただろ、龍磨のその……あれ……死体。そうだよ、あれは俺が殺したんだ』 『それから、お前も殺そうとした。悪かったと思ってる。俺が悪いとも思ってる。理解してくれなんて言わない。だけどはっきりさせておきたかったから』 『お前に殺意を以て迫った事は明瞭にさせておくべきだったと分かっているから、言わせてほしい』 『津村が理不尽に死んで、龍磨が殺されたところを見て、それでも殺意を剥きださなかったなお前』 『どころか今は、一つのチームを纏め上げて奮起しているらしいじゃねえか』 『そういうところ、本当尊敬するよ。俺に出来なかった事を平然とやってのけるんだからよ』 『ったく普段の日常生活からそのやる気をもっと出せよなー』 『晴天見てめげてんじゃねえよ』 『……っと、どうにも一人で話してるとどう話せばいいか分かんないな』 『タイミング掴めないけど話題転換だ』 『一刀両断さんから伝言貰ってるぜ』 『お前らに何があったかは知らんけど、えーと確かな、「しばらく経ったら城にいるから会いに来い」だって』 『なんか、「流石に離れてる二人を護るのは無理だから」とかぼやいてたけどお前あんな格好いい女性に護ってもらってたの? すっげー羨ましいんだけど』 『なんだなんだ、これが人格者の特権か? ええ?』 『……だがな、須藤。俺も流石に本人の前では言ってないけど俺だって彼氏持ちらしいけど葉月さんって綺麗な人と一緒にいたんだぞ! はっはっは! どーだ須藤!』 『…………』 『何言ってんだ俺、一人で恥ずかしい。うわー穴があったら入りたいわ。一人で会話するとこんな惨めなんだな。嫌なこと知ったよ。うわー』 『まあいいや。言うことは言ったからな須藤』 『さっきも言ったけど、今向かう先で須藤が何をやってるかは知らねえけど。言ったからな?』 『きっとこれをお前が聞いているってことは俺は死んだんだろう』 『そうじゃなきゃこんなハズいもん誰かに渡すわけねーし』 『だからここで伝言を伝えたからな』 『さてとまあ』 『お前が俺を殺しにかかってきてもしょうがねえとは思うけど、一つ言っておくぞ』 『今の俺は、何があってもお前の味方だ。都合のいい事言うがお前や狭山や瀬戸には生きてほしい』 『この際、他の命なんてどうでもいい。お前を襲う人間がいたら、俺はそいつを即刻殺しにかかるだろうし、お前が命の危機にさらされていたら、俺は身を挺す覚悟はある』 『こんな事言うとさ、格好いいヒーローっぽいけど、お前の知ってる通り俺はそんな奴じゃない』 『それだけの罪を犯したんだ』 『俺の死に怒ってくれたり、泣いてくれるのは嬉しいんだけどさ。あんまり俺に囚われるなよ』 『無感動で全然いいんだよ』 『須藤』 『改めて言うが悪かった』 『もう一つ言いたいこともあるんだけど、それは直に言わなきゃ意味ねえし。とっておくよ』 『そろそろ録音を切るけど須藤』 『最後に励ましのエールだ。サッカー部元主将の俺のエールを聞きやがれ』 『――頑張れよ、須藤』 『んじゃ、じゃあな。また来世で』 ザーザーザー…… 【浅倉翔@変哲もないキャラでバトルロワイアル 死亡】 「 」 【C-6/市街地/一日目/昼】 【須藤凛@変哲もないオリキャラでバトルロワイアル】 [状態]:顔に腫れ、体中にダメージ(大)、肉体的疲労(大)、精神的疲労(極大)、左肩に刺し傷(処置済) [服装]:三日月中学の男子制服 [装備]:トンファー@現実 [道具]:基本支給品一式、不明支給品0~2、ボイスレコーダー [思考] 基本:…………。 [備考] ※変哲オリロワ参加前からの参戦です。 ※石川清隆の外見のみ記憶しました。 ※一刀両断のルール能力について聞いたようです □ ■ □ ――――そして、魑魅魍魎を抱きし彼女は目覚める―――― 【C-6/市街地/一日目/昼】 【加藤清正@DOLバトルロワイアル4th】 [状態]:睡眠、右腕、右足に矢疵(各々治療済み)、腹と腕に銃創 [服装]:特筆事項なし [道具]:基本支給品一式、同田貫正國、ランダム支給品×2 [思考] 基本:…… [備考] ※ロワ参加前からの参加です ※うにゃーの存在を良いモノと認識しました ※銀丘白影から『ジョーカー』について聞きました 【璃神妹花@サイキッカーバトルロワイアル】 [状態]:健康、眠気(小) [服装]:特筆事項なし [道具]:基本支給品一式、ランダム支給品×3 [思考] 基本:殺し合いをする気はない 1:……? 2:どーしよっかな、うにゃー? 3:うにゃーの≪食事≫を探そうかな? [備考] ※ロワ参加前からの参加です ※うにゃーを認識してくれる者は≪食事≫として見られません 【携帯電話】 丹羽雄二に支給。 黒色単色の折りたたみ式の携帯電話。 充電は満タンで支給されている。 以下機能。 通話:正常通り使用可能。ただし110番や参加者の元の携帯番号などバトルロワイアル外の電話番号には通じない模様 メール:使用不可、ただしメモ書きは出来る。 カメラ、マナーモードなどのその他設定は随時追記 【お風呂セット】 丹羽雄二に支給。 石鹸やシャンプー、リンス。洗顔フォームやシャンプーハットに至るまでお風呂で使うような道具を揃えた。 ちなみにどれもかしこもブランド物である。 ……人無は何がしたいのだろうか。 【コンドーム】 丹羽雄二に支給。 言わずもがな用途は性こry ちなみにそれ以外にも液体(健全)が大量に入れれたりするので使い道がないわけではない。 【スクール水着】 大塚英哉に支給。 小学生女子が着れそうなぐらいのサイズ。ちなみに世間一般的に言う旧タイプ。 胸のところには名前を書くところがあり所謂萌えを意識している気がする。 ……人無は何がしたいのだろうか。 【防犯ブザー】 大塚英哉に支給。 ボタンを押せば大きな音が鳴る。 大半の小学生が持っているであろうが、使い道は悪戯が多い模様。 【ボイスレコーダー】 浅倉翔に支給。 音声を記憶する装置。 今回支給されたもののサイズは手のひらサイズ。 【チェーンソー】 現地調達品。市街地にて丹羽雄二が回収。 基本的な構造などはDOL2ndにて支給されたそれと同じ。 【カッター】 現地調達品。市街地にて丹羽雄二が回収。 代えの刃は付属してなかった。切れ味はカッターのそれ相応。 一応人を殺せる凶器である。 【クロスボウの矢】 現地支給品。市街地にて小神さくらが回収。 なにやら例の四次元ポケ……バッグに有限はあるとはいえほぼ無尽蔵も同然の量の矢が入っていた。 ただし安物。割と簡単に折れたりする。だからといって殺傷能力は侮れない(使い手にもよる) 時系列順で読む Back 失踪する思春期のパラベラム『君に愛を、心に銃を』 Next 優しくキミは微笑んでいた 投下順で読む Back 失踪する思春期のパラベラム『君に愛を、心に銃を』 Next 優しくキミは微笑んでいた 070:失踪する思春期のパラベラム『君に愛を、心に銃を』 加藤清正 076:パラべラム・アライヴ『Down to Zero we go』 070:失踪する思春期のパラベラム『君に愛を、心に銃を』 璃神妹花 076:パラべラム・アライヴ『Down to Zero we go』 070:失踪する思春期のパラベラム『君に愛を、心に銃を』 須藤凛 076:パラべラム・アライヴ『Down to Zero we go』 070:失踪する思春期のパラベラム『君に愛を、心に銃を』 銀丘白影 076:パラべラム・アライヴ『Down to Zero we go』 070:失踪する思春期のパラベラム『君に愛を、心に銃を』 小神さくら 078:四字熟語VS生体兵器 070:失踪する思春期のパラベラム『君に愛を、心に銃を』 丹羽雄二 076:パラべラム・アライヴ『Down to Zero we go』 070:失踪する思春期のパラベラム『君に愛を、心に銃を』 天王寺深雪 076:パラべラム・アライヴ『Down to Zero we go』 070:失踪する思春期のパラベラム『君に愛を、心に銃を』 浅倉翔 GAME OVER 070:失踪する思春期のパラベラム『君に愛を、心に銃を』 稲垣葉月 076:パラべラム・アライヴ『Down to Zero we go』 070:失踪する思春期のパラベラム『君に愛を、心に銃を』 狭山雪子 076:パラべラム・アライヴ『Down to Zero we go』 070:失踪する思春期のパラベラム『君に愛を、心に銃を』 東奔西走 078:四字熟語VS生体兵器 070:失踪する思春期のパラベラム『君に愛を、心に銃を』 早野正昭 090:EVE 070:失踪する思春期のパラベラム『君に愛を、心に銃を』 被験体01号 076:パラべラム・アライヴ『Down to Zero we go』
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子どもが産まれたということもあり、最近ベネッセからしまじろうグッズを買えと すごく電話がかかってきます。 もちろん向こうもこちら側に買ってほしいものですから、 何度も何度もしつこく電話をかけてきますし、食い下がってきます。 でも、私はもともとしまじろうグッズを使うことは考えていませんから、 買う気もサラサラありません。 なので、もうベネッセからのフリーコールは出ないようにしています。 あまりにもしつこいとさすがに腹が立ってきます。 バストあっぷるん 前島敏也 六角脳枕 李すんほ
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1 2 唯憂 2011/01/20 http //raicho.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1295532666/ 戻る 名前 コメント すべてのコメントを見る 平沢姉妹っぽいふわふわしたお話だった -- (名無しさん) 2019-11-24 15 46 11 不思議な話だね。 この世界に皆が自然に溶け込んでる。 平沢家のこたつが宇宙になった話を思い出す。 -- (名無しさん) 2014-05-15 01 12 37 となると律紬夫婦はいったいどんなところに行ったのだろうか -- (名無しさん) 2011-01-25 01 14 02 大学でロシア語を履修してるからダスビダーニヤはすごい馴染み深い言葉だ -- (名無しさん) 2011-01-24 14 33 24 なんとロマンティック -- (名無しさん) 2011-01-22 22 33 41 NEBULA -ECHO NIGHT- 思い出した -- (名無しさん) 2011-01-22 10 26 14 ヒント 琴吹 -- (名無しさん) 2011-01-22 09 51 35 それにしても、唯憂夫婦も澪梓夫婦も一体何処に、月面旅行できる程の資金があったんだろう? -- (ディゴッド) 2011-01-22 09 14 55 はたして落ちてた人工物とは……思うに澪達の宇宙船の残骸だったと妄想してる -- (名無しさん) 2011-01-22 08 57 44 面白いな。ゆったりしていて。 -- (通りすがり) 2011-01-22 08 54 37
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autolink 他機種からの転送 SHARP機からの転送 1件ずつになりますが赤外線機能を使って行えます。705NKではMMSとして受信し、ビジネスカードとして登録する事で電話帳に追加できます。転送元の機種によって違いはあるでしょうが、写真やメモ等も転送される様なので便利です。(ソフトバンクショップに備え付けのデータ移行装置では、最小限の情報しか移行されない様です。) Windows PC Suite(付属ソフト)には、アドレスをインポートする手段がないみたい。 Mac 10.4.9 (2007-03-13 Updated) から標準で iSync できるようになりました。ただしフリガナは同期されないため、Mac で編集してしまうと毎回フリガナを入力するハメになります。(Address Book にもフリガナの入力欄があるが、入力すると困る) 10.4.8 以下の場合 そのままでは705NKをiSyncに追加できません。 しかし、Macの方にプラグインをインストールすれば追加できるようになります。 1、http //www.mactomster.de/isync/nokia/ で、「Download Plugin für Nokia N-Series »」をクリックしてダウンロード。 2、http //mac.ascii24.com/mac/news/peripheral/2006/12/11/666487-000.html の手順に従ってインストールする。 ただし、Macのアドレスブックには氏名のフリガナが登録できないため、そのままでは電話帳がアイウエオ順でソートされません。 705NK側で改めてフリガナを登録する必要があります。
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澪「女の子…?うずくまってるな」 律「何かあったのかな」 「すん…すん…」 澪「どうしたの?大丈夫?」 「おうちに…かえりたい…」 律「迷子かな…?」 澪「どうだろう…」 「……ぐっす…」 律「おうちはどこなのかなぁ?」 「ひっく…ちかく…」 澪「大丈夫だよ、お姉ちゃん達がおうちまで連れて行ってあげるから…」ナデナデ 「ほんとぉ…?」 律「?!」 澪「えっ?」 「あっ…」 「……ママぁ」ぎゅ 澪「えっ、えぇ?」 律「……」 澪「ママじゃないよ!ごめんね…」 「……!」ぱっ 「…ごめんなさい……」シュン… 澪「気にしなくていいよ…これからママのとこ行こう?」 「……うん」 律「……」 律「澪…この子…」 澪「な、なに?」 律「昔の澪にそっくりだな…」 澪「う…うん、私も正直思った…」 「…りっちゃん?」 律「へっ?!」 澪「律、知り合いなのか?」 律「いっ、いやぁ……どうだろう…」 澪「まったく…近所の子じゃないのか?名前を聞けば思い出すだろ」 律「うん…多分」 「りっちゃん……じゃない…」 澪「ごめんね…おなまえ教えてくれるかなぁ?」 「えっと……」 「あきやまみお…です」 澪「」 律「」 律「こ、これは…」 澪「……同姓同名…だな」 みお「どーせー…どーめい?」 澪「あっ、うん、お姉ちゃんもみおって名前なんだよ!偶然だね!」 律「(偶然か…?顔までそのまんまだぞ)」 澪「とにかくみおちゃん、おうちはどっちの方向かわかるかな?」 みお「あっち」 澪「じゃあ一緒にいこうか!」 みお「…うん!」 …… 律「(澪…)」 澪「(なんだよ)」 律「(変な事言うけどさ…この子、昔の澪本人じゃないのか?)」 澪「(何バカな事言ってるんだよ…そんな訳ないだろ)」 律「(だって…いくらなんでも似すぎてるし…名前も一緒って…)」 澪「(だから偶然だって…世の中には自分と瓜二つな人が3人はいるって言うだろ? それになんで昔の私が今ここにいるんだよ)」 律「(いやほら、タイムスリップとか…)」 澪「(馬鹿馬鹿しい…)」 律「(……だよな、なんかごめん)」 みお「…なに…話してるんですか…?」 律「…ううん、なんでもないよぉ?みおちゃんはさぁ、小学校何年生なのかな?」 みお「…4年生です」 澪「4年生にしてはしっかり者だね、敬語も使えてるし偉い偉い」 みお「……」/// 律「照れちゃって…可愛いなぁ、みおちゃんのおうちはどんなおうち?」 みお「普通の…おうちです」 律「そうなんだ、どのへんにあるの?」 みお「もうすぐ見えてきます」 澪「良かったね、もうすぐママに会えるね」 みお「はい…あ、あれです」 澪「」 律「」 律「(思いっきり澪の家…)」 澪「(思いっきり私の家…)」 みお「お姉ちゃん達…どうしたの…?」 澪「(これは…どうしたものか…)」 律「(やっぱりそうだ…そうとしか考えられない)」 みお「お姉ちゃん…?」 澪「あっ、ごっごめんね…!ここがみおちゃんのおうちなんだ!へぇー……ほぉー…」 律「(どうすんだよ…澪…)」 みお「送ってくれて…ありがとうございました…」ペコリ 律「ぜ、全然いいよ!おうちまで辿りつけて良かったぁ!」 みお「……あれ…」ガチャガチャ 澪「……」 律「……」 みお「…開いてない…ママ帰ってないのかな…」 澪「(そりゃそうですよ…ママは仕事で出張に出てるから…)」 律「(おい…)」 澪「(…なに)」 律「(どうするんだ…?)」 澪「(開けるしか…ないだろ…)」 みお「…あかない…なんで…」オロオロ… 律「(いいのか?なんでお前がカギ持ってるんだってなると思うけど…)」 澪「(仕方ないだろ…このまま放っておく訳にもいかないし…) 律「(そりゃそうだけど…)」 澪「(多分自分の家だと勘違いしてるんだろ、家に入ってからご両親に電話してあげよう)」 律「(それが一番か……)」 澪「あ、あれ?!…なんだこの鍵!かばんの中に入ってた!」 律「(おいおい…)」 ガチャリ 澪「開いたよ、みおちゃん」 みお「……なんでお姉ちゃんが私の家のカギ持ってるの?」 澪「…うっ…」 律「(まぁ、そうなるわな…)」 澪「えっと…それはね…」 みお「お姉ちゃんたち…どろぼう…?」ビクビク 澪「ちっ、違うよ!…えっとね…私達は…その…」 律「みおちゃんのお母さんの親戚なんだよ 実はみおちゃんのお母さんとお父さんお仕事で家に帰れないらしいんだ だからみおちゃんのお世話する様に、お姉ちゃん達頼まれてるんだよ」 みお「そ、そうだったんですね…!…ごめんなさい…」シュン 澪「謝らなくてもいいよ、そういう訳だから…(ナイス律!)」 律「(はぁ…なんとか誤魔化せた)」 …… 律「というわけで今日はお姉ちゃん達にまかせなさい」 みお「はい、なんだか…すみません…」 律「いいってことよー」 澪「(あ、そっち私の部屋…)」 ガチャ みお「…あれ?」 律「どうしたの?」 みお「……」 みお「…お部屋の様子が変わってる…」 律「そうかなー?いつもこんな感じだと思うけど…」 みお「私のベッドはこんなに大きくなかったし…」 律「うん?」 みお「机も変わってるんです…」 律「ふむふむ…」 みお「それに……あ、あんなもの…落ちてない…」/// 律「あー、澪のパンt」 澪「うわぁぁぁ!!!みおちゃん!見ちゃダメ!!」///サッ 律「(片付けとけよ…)」 みお「…あれ……?」 律「今度はどしたー?」 みお「…ない…ない……」 律「何が無いの?」 みお「りっちゃんから貰ったうさちゃんのぬいぐるみが無いんです…」 律「(私から貰った…?)」 みお「あ、りっちゃんっていうのは私の友達で…確かにここに置いたんですけど…」 澪「……」 律「……」 みお「……ないよぉ…どこにもない…」 みお「…なんで無いの…?…なんで…」 みお「…ごめんりっちゃん…グス…失くしちゃったよぉ…グッス…」 律「わわっ、ちょっと!大丈夫だよみおちゃん!」 みお「だって…ヒック…昨日まであったのに…ズズ…」 律「きっと出てくるって!…だから泣かないの」サスリサスリ みお「うぅ…グッス…」 澪「……」 律「澪、どこ行くんだ?」 澪「へっ?!ちょっとトイレに……」 澪「…」 澪「…」 澪「(うさちゃんのぬいぐるみ?…まさかあの子本当に……私なのか…? 私と同姓同名であの容姿、私の家も知っている それに律の顔を見るなり「りっちゃん」と口走っていた こんなに共通点のある人間が、この世に二人といるのだろうか… 律の言う様にタイムスリップしてきたとでも言うのか…?)」 澪「……」 澪「(はは…何バカな事考えてるんだか… そんな訳無いよな…常識的に考えてさ…)」 プルルルルッ! 澪「!」 澪「家の電話か…」 澪「『はい、秋山です』」 律「『私だよんっ☆』」 澪「『……』」 律「『…あれ…おーい、澪しゃん?』」 澪「…」ガチャンッ ドタドタ…ガチャ 澪「なにやってるんだよ…」 律「別にふざけてた訳じゃないぞ?試してみたんだよ、ね?みおちゃん」 みお「…はい」 澪「試したって何を?」 律「やだなぁ澪、自分で言ってたじゃん、ご両親に連絡してみるってさ」 澪「…言ったけど…なんでウチの電話にかけてくるんだよ」 律「みおちゃん、家の電話番号もう1回言ってもらっていいかな?」 みお「はい、○○○○―△△―□□□□です」 澪「へっ?」 律「という訳なのですよ!」 澪「(私の家の電話番号まで知ってる… 違う違う違う!そんな訳ない! その子は他人なんだ!私とは別人なんだ!) みお「…」グゥゥ 律「おっ?」 みお「…あ」/// 律「お腹空いた?」 みお「は…はい」 律「それじゃあご飯にしようか、何食べたい?」 みお「えっと…なんでもいいです…」 律「そういうのが一番困るんだぞ?遠慮せずに言ってごらん?」 みお「じゃあ…ハンバーグが食べたい」 律「よっしゃあ、私の得意分野!今作ってやるからなー」 みお「ありがとうございます」 澪「じゃあ、早速やろうか、…あれ?」 律「どうした?」 澪「食材足りない…」 律「えー…」 澪「仕方ない…買ってくるか、みおちゃん 私達お買い物してくるからお留守番しててもらえるかな?」 律「ごめんなー、すぐ戻ってくるから」 澪「あ、その間お風呂入っちゃおう?沸かしてあるからさ」 みお「…えっ?…あ…あの…」 律「?」 澪「?」 みお「えっと………わ…わかりました…」 律「どうしたのかなー?ひょっとして一人でお風呂入れなかったり…?」 みお「なっ?!…そ…そんなことっ!…ないです…」/// 澪「(図星だ…)」 律「(図星だ…悪い事をした…)」 みお「…………」 律「…」 澪「ごめん律、ちょっと買いだし行ってきて」 律「へっ?…まぁいいけど…」 澪「必要な物紙に書いてあるから」 律「あぁ」ニヤニヤ 澪「(なにニヤニヤしてるんだよ!)」 律「(別にしてないよ)」 澪「(言っとくけど……別人だからな!…私は一人でお風呂入れてたんだからな!)」 律「(はいはい…わかってますよー、じゃ行ってくる)」 …… 澪「みおちゃん」 みお「は、はい」 澪「私も汗かいてお風呂入りたくなっちゃった、一緒に入ろっか?」 みお「ほ…ほんとですか?!」ぱぁ 澪「(そ、そんなに嬉しいんだ…)」 みお「やったぁ!」 澪「ほら、おいで?」 みお「…うん!」 澪「(だんだん心開いてきてくれてるな)」 … みお「…お姉ちゃん…」 澪「ん?」 みお「あの…あんまり脱ぐところ、見ないでね?」 澪「あぁ、わかったよ(私のセリフです…)」 みお「…んっと」ぬぎぬぎ 澪「(あー…恥ずかしい…小さい子といえども裸見られるのは恥ずかしいなぁ… やっぱりかっこつけすぎたかな…でもみおちゃん困ってたしなぁ…)」 みお「お姉ちゃん、先入っててもいい?」 澪「あ、待って」 みお「?」 澪「みおちゃんの髪、上に繕ってあげる」ササ みお「あ、ありがとう…ございます」/// 2
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澪「よし、今日の練習はやめよう」 唯「仕方ないよね、ムギちゃんもあずにゃんもいないし」 律「せっかくケーキ作ってきたのになぁ」 澪「律、まさかそれ・・・・・・」 律「ギクッ、別にレーズンなんか入ってない・・・あっ・・・」 澪「もう、私がレーズン苦手なの知ってるだろ!?」 律「あはは、レーズン食べたときの澪、かわいいんだもん」 澪「なっ///」 唯「っす、すごい、りっちゃんってケーキ作れるの!?」 律「パウンドケーキなら、ね。唯、食べる?」 唯「うん、食べる〜」パクッ 唯「う〜、、おいひぃ☆」 律「いやー、唯が喜んでくれてよかったぜ」 唯「りっちゃん、お菓子作りの天才だよ」 律「そんなことないって//」 澪「唯、よかったら残りも持って帰りなよ」 唯「え、いいの?」 澪「私はレーズンだめだからさ。」 唯「ありがとー。憂と食べよぉっと♪」 澪「ほんと、唯は憂ちゃんと仲いいよなぁ」 唯「そうかなぁ?」 澪「そうだよ、まるで恋人みたい」 唯「なんか照れるかも//」 律「そんなことより早く帰ろうぜ。お腹空いたなぁっと」スタスタ 平沢家 唯「う〜ぃ〜、いいものあげる〜」 憂「なぁに、お姉ちゃん?」 唯「パウンドケーキだよ、りっちゃんが作ってくれたんだ」 憂「うわぁ、素敵。ご飯食べたら食べるね」 唯「うん、とぉっても美味しいんだよ☆」 食後 唯「ごちそ〜さまぁ。やっぱ、憂の作る料理は美味しいねぃ」 憂「えへへ、がんばったんだよ?」 唯「ありがと〜。わたしゃお風呂に入ってくるよ」 憂「うん。いってらっしゃい。・・・・・・私は律さんのケーキを・・・」ボトッ 憂「あ・・・落としちゃった。。もう食べられないや・・・」 憂「でも、お姉ちゃんに食べられなかったって言ったら悲しむよね?」 憂「食べたっていうことにしとこう・・・。律さん、ごめんね。」 翌日 唯「あぁ、りっちゃんのケーキ美味しかったなぁ」 唯「よし、私もりっちゃんに喜んでもらいおう!」 唯「でもどうすればいいんだろ・・・」 唯「うーん・・・・・・そうだ、澪ちゃんに聞いてみよう」 Trrrr Trrrr 澪『もしもし、唯?』 唯「あ、澪ちゃん、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」 澪『なぁに?』 唯「りっちゃんに昨日のお礼をしたいんだけど、どうすればいいかわからなくて。」 澪『ああ、それなら駅前のファンシーショップがいいかも』 唯「駅前の?」 澪『うん。今朝、にじ○ろジーンでやってたんだけど、幸せを呼ぶヒマワリのカチューシャがあるんだって。』 唯「へぇ〜」 澪『律ってそういう店入らないし、きっと喜んでくれるよ。後で写メ送っておくな。』 唯「わかった。澪ちゃんありがと〜。早速行ってみるよ」 澪『うん。じゃあね』 唯「カチューシャプレゼントしたら、りっちゃん喜んでくれるかなぁ」 唯「『ありがと、唯大好き!』とか言われたらどうしよう///」 唯「あれ、やだ、私何赤くなってるんだろ」 唯「りっちゃんはただの友達なのに・・・」 唯「友達・・・トモダチ?」 唯「うん、友達に喜んでほしいって思うの当たり前だよね」 唯「さて、買い物行ってこよう・・・」 駅前商店街 唯「うわぁ、なんかいっぱい人が並んでる」 唯「売り切れちゃったりしないかなぁ?」 唯「それにいつになったら買えるのか検討も付かないや」 唯「やっぱテレビの効果ってすごいな」 唯「でもりっちゃんのため、がんばるぞ!」 紬「あら、唯ちゃん」 唯「あ、ムギちゃん!おいっす!」 紬「おいっす☆今日は1人?」 唯「うん。あのお店の、ヒマワリのカチューシャがほしくてきたんだけど・・・」 紬「この行列、ってわけね。ちょっと待ってて。」 唯「ほぇ?」 紬「こんにちは」 店員「っ!紬お嬢様、ご無沙汰しております。本日は何かご所望でございますか?」 紬「ええ、あのヒマワリのカチューシャがほしいのだけれど」 店員「申し訳ありません。その商品は現在品切れでして・・・」 紬「あそこにあるのは?」 店員「あちらは商品見本でして・・・・・・」 紬「本物とは違うのかしら」 店員「いえ、本物ですし、色褪せもしておりません」 紬「じゃあ問題ないじゃない。頂くわ。」 店員「か、かしこまりました。どうぞお持ちください」 紬「梱包までしてもらってごめんなさいね。」 店員「いえ、とんでもございません。ありがとうございました。またおこしくださいませ。」 紬「唯ちゃんおまたせ。はい、これ」 唯「うわぁ。ありがとう、ムギちゃん。」 紬「どういたしまして。でもそれどうするの?」 唯「えへへ、りっちゃんにプレゼントするんだ」 紬「まあ///」カァ 唯「明後日の部活が楽しみだぁ」 紬「私も楽しみだわ」 月曜日 律「あー、終わったぁ!むこう一週間は数字見たくないや」 唯「私もー。数学なんて嫌い」 紬「今日まだ月曜日よ?」 律「じゃ、私帰るね」 唯「あれ、りっちゃん部活いかないの?」 律「うん。今日歯医者なんだ。私抜きで適当にやっててよ。じゃな」スタスタ 唯「あ・・・」 紬「唯ちゃん、いこ?」 唯「うん・・・」 澪「そっか、律は休みか」 唯「うん・・・」 梓「律先輩抜きでも練習しませんか?」 紬「ええ。たまにはお茶なくてもいいわよね」 ジャジャッジャジャッジャーン♪ 澪「唯、パワー足りないぞ?」 梓「いつもみたいにケーキ食べたら元気になるんじゃないですか?」 紬「はい唯ちゃん、あーん」 唯「あーん・・・」パクッ 澪「よし、練習再開するか」 ジャジャッジャジャッジャーン♪ 澪「あれ?」 唯「ごめん、みんな。なんか調子悪いから帰るよ。」テクテク 紬「唯ちゃん・・・」 梓「なんか元気ないですね、唯先輩」 澪「ああ。どうしちゃったんだろうな。」 紬「まさか唯ちゃん・・・」 梓「何か心当たりあるんですか?」 紬「う、ううん、そんなことないわ。」 澪「さすがに三人じゃ練習にならないな」 梓「そうですね。なんかあの二人がいないと調子が狂うです」 紬「まあ、お茶にしましょう?」 唯「(つい部活抜けてきちゃった・・・)」 唯「(なんでだろう、りっちゃんがいないだけなのに・・・)」 唯「(りっちゃんにプレゼント渡せなかっただけなのに・・・)」 唯「(どうしてこんなに気分上がんないんだろ)」 唯「(・・・なんだろう、胸が苦しい・・・)」 唯「(りっちゃんに会いたいよ・・・・)」トボトボ 律「よぉ、唯。こんなところでどうしたんだ?」 唯「っ!りっちゃん!?」 律「なぁーんか元気いぞ。どうしたんだよ?」 唯「べ、別になにもないよ?」 律「そっか。ならいいんだけど」 唯「あ、あの、りっちゃん!」 律「なに?」 唯「え、えっと、その・・・//」 律「ん?」 唯「こ、こないだのケーキおいしかった!あり、ありがとっ!こ、ここれ、受け取って///サッ 律「なにこれ?開けていい?」 唯「うん//」 律「うわぁ、可愛いカチューシャ。ありがとな、唯」 唯「よかった。りっちゃんが喜んでくれた」 律「そりゃ、嬉しくないわけなんかないだろ?」 唯「うん///」 律「あ、私もなんかお礼しないとな」 唯「いいよぉ、お礼なんて。これだってケーキのお礼なんだし」 律「いいっていいって。・・・そうだ、いいとこ連れてってやるよ」 唯「いいとこ?」 律「うん、いいとこ。」タッ 唯「あ、ちょっと、りっちゃん待って!」タタッ 唯「うわぁ、きれいな夕陽」 律「どうだ、ここ私だけの秘密の場所なんだ。星空も綺麗なんだぜ?」 唯「素敵だよりっちゃん//でもどうして私をここに?」 律「いやぁ、思いついたのがこの高架橋からの景色だったんだ」 唯「・・・・ありがと」 律「え?」 唯「私に秘密の場所を教えてくれて///」 律「いーって、気にすんなよ」 唯「・・・あのね、りっちゃん」 律「ん?」 唯「私、りっちゃんに伝えたいことがあるんだ」 唯「私、りっちゃんのことが好きです」 律「・・・えっ?」 唯「女の子同士って変かもしれないけど、友達じゃない好きな気持ちになっちゃったの///」 唯「私と、付き合ってもらえませんか?」 律「・・・いいよ」 唯「えっ・・・」 律「おっけーだよ、唯」ギュ 唯「ありがと、りっちゃん///」ウルウル 律「こぉら、泣くんじゃない」 唯「へへ、だって嬉しいんだもん。//」 律「ふふ、二人だけの秘密だぞ?」 唯「うん//」 律「・・・そうだ、この場所も二人だけの秘密にしようぜ?」 唯「二人だけの?」 律「そ、イヤ?」 唯「ううん、とても嬉しいよ//」 律「よかった、喜んでもらえて」チュ 唯「ふにゃあ///」 律「改めてこれからよろしくな、唯」 唯「うん//よろしくね、りっちゃん//」 翌日 唯「あー、やっぱりムギちゃんの入れてくれたお茶は美味しいねぇ、りっちゃん」ホワホワ 律「そうだなぁ。このケーキもおいしいぞぉ、唯ぃ」ポワポワ 紬「二人とも、おかわりもあるわよ」 唯「ほんと!?いただきまぁす」 律「ちょ、唯ずるいぞ!」 澪「って、久しぶりにそろったと思えばこれかっ」 梓「二人が居ても居なくても練習はかどらないなんて・・・」 澪「・・・結局練習できなかった・・・」 唯「大丈夫だよ澪ちゃん、まだ次のライブまで時間あるし」 律「そうだぞ、ライブの予定なんて入ってないからな」 澪「お前はそれを考えろ!」ゴッ 律「ってぇ・・・」 唯「りっちゃん大丈夫!?」 律「大丈夫だよ。慣れてるし」 唯「よかったぁ。」 唯「澪ちゃん、思いっきり殴るんだもん」ギロッ 澪「っ・・・!?(なんだろう、この殺気)」 紬「ぽぉ///」 梓「そろそろ学校出ないと怒られちゃいますよ?」スタスタ 澪「あ、ああ、そうだな。帰ろっか・・・」スタスタ 紬「そうね」スタスタ 律「そうだ唯、今度唯の家遊びに行っていい?」 唯「うん、いいよ。今日にする?明日にする?それともア・タ・シ?」ウフッ 律「んー、ボケが微妙だから日曜に行くよ」 澪「おーい、早くしろよー」 律「おーぅ」 唯「りっちゃんっ」チュ 律「なっ」 唯「へへっ」タタッ 日曜日平沢家 ピンポーン 律「おじゃましまーす」 憂「あ、お義姉ちゃんいらっしゃい」 律「は、おねっ!?」 憂「律さん、お姉ちゃんと付き合ってるんでしょ?だったらお義姉ちゃんです」 律「お、おぅ」 憂「今お姉ちゃん呼んで来ますね」タタッ 律「唯のやつ、憂ちゃんに喋ったのか・・・。唯らしいや」 唯の部屋 律「ゆ〜い〜?憂ちゃんに私たちのこと喋っただろぉ?」 唯「ごめん、嬉しくてつい喋っちゃった」 律「ふ〜ん、他の人には?」 唯「言ってないよ?」 律「ホントに?」 唯「ホントに!」 律「そっか、ならよかった」チュ 唯「あ///」 律「もう誰にも言っちゃダメだぞ?」 唯「うん///」 律「さぁて、これからどうするかね?」 唯「私はりっちゃんとくっついてたいよ//」 律「よし、じゃあ、そうするか」 唯「うんっ」 律「・・・・・・」 唯「・・・・・・」スヤスヤ 律「で、やっぱりこうなるわけか」 律「・・・そーっとそーっと・・・」 律「よし、抜け出した。後は下に行って」 憂「あ、お義姉ちゃん。お姉ちゃんは?」 律「上で寝ちゃってるよ。」 憂「そう。お腹出したりしてない?」 律「大丈夫だよ、ちゃんとブランケットかけてきたし」 憂「でも、お姉ちゃんなら蹴飛ばしちゃうかも」クスッ 律「そうかもな。それで、憂ちゃんに話があって降りてきたんだ」 憂「私に、お義姉ちゃんが?」 律「うん。っていうか、そのお義姉ちゃんってやめてくれない?」 憂「あ、ごめんなさい。・・・それで律さんのお話っていうのは?」 律「その、なんて言ったらいいかわかんないんだけど」 律「去年勉強会に行ったときから憂ちゃんのことが気になってて」 律「それで、だんだんその思いが大きくなっていって・・・」 律「憂ちゃんのことが好きなんだ//」 律「いつも気遣いを絶やさないところとか」 律「かわいらしい笑顔とか」 律「料理が得意なところとか」 律「憂ちゃんの全部が好きなんだ//」 律「私と付き合ってくれっ」 憂「・・・・・・言いたいことはそれだけですか?」 律「え?」 憂「私のことが好きなら、なんでお姉ちゃんと付き合ってるんですか」 律「憂ちゃんに近づきたかったんだ。唯には悪いことをしたと思ってる。」 憂「なっ・・・じゃあ、こないだのケーキも私に食べさせるつもりでお姉ちゃんに持たせたんですか?」 律「うん、そうだよ。・・・ねえ、憂ちゃん。怒ってないで笑ってよ。私・・・」 憂「笑顔が好きなんですか?でも、律さん相手に笑う気にはなれません。あのケーキだって、落として食べられなくてよかった・・・帰ってください」 律「ちょっと待って、憂ちゃん」 憂「待ちません。お姉ちゃん騙して傷つけるなんて最低です!帰ってください」 律「うん・・・ごめん、私帰るよ・・・」 憂「・・・・・・可愛そうなお姉ちゃん・・・」ウウッ 憂「お姉ちゃーん、起きてる?」ガチャ 唯「あーういー、おはよー。あれ、りっちゃんは?」 憂「・・・お姉ちゃん、そのことなんだけど、話があるの」 唯「ほぇ?」 憂「律さんは、私と近づくためだけにお姉ちゃんと付き合ってたの。お姉ちゃんは騙されてたの・・・」 唯「ウソだ・・・」 憂「本当だよ。さっき、律さんが言ってた。」 唯「ウソ言わないでよ!」 憂「・・・っ!」 唯「りっちゃんがそんなことするわけないじゃん!」 唯「りっちゃんは私を好きって言ってくれた」 唯「私を秘密の場所に連れて行ってくれった」 唯「ギュって抱きしめてキスしてくれた」 唯「そんな酷いことするわけないじゃん!」 憂「でも本当に・・・」 唯「そんなこと言う憂なんて知らない!出てって!」 憂「お姉ちゃ・・・」 唯「出てってよ!!」 憂「う・・・ごめんね。お姉ちゃん」スタスタ 唯「・・・・・・(信じていいんだよね、りっちゃん)」 翌日部活終了後 澪「また今日も練習できなかった・・・」 梓「最近だらけすぎですよ!」 澪「みんな、梓の言うとおりだぞ!」 律「わーってるよ、血豆がつぶれるまでがんばりますよ、澪ちゅわん」 澪「痛い話はやめろって言ってるだろ!」ゴッ 律「ってぇ・・・」 唯「りっちゃん、大丈夫?」 律「あー、なんとかなー」 唯「澪ちゃん、最近りっちゃん殴りすぎだよ?」 澪「そ、そうか?ごめんな、律」 律「いーっていーって。」 梓「そろそろ鍵閉められちゃいますよ?」スタスタ 澪「あ、ああ、そうだな。帰ろっか・・・」スタスタ 紬「そうね」スタスタ 唯「ねぇ、りっちゃん」 律「何?」 唯「話したいことがあるんだけど、この後ちょっといい?」 律「ん、別にいいけど、改まってどうしたんだ?」 澪「おーい、早くしろよー」 律「おーぅ」 唯「今行く〜」 律「それで、話ってなに?」 唯「うん、昨日憂から聞いたんだけど、憂に近づくためだけに私と付き合ってるって本当なの?」 唯「あの時抱きしめてくれたのも、キスしてくれたのも、ウソだったの?」 律「そんなこと、ないよ」 唯「じゃあ証拠をちょうだい・・・」 律「わかった。」ギュ 唯「ふあっ///」 律「好きだよ、唯」チュ 唯「んっ//」 唯「私も好きだよ、りっちゃん」 平沢家 憂「お姉ちゃんお帰り。」 唯「・・・・・・」ツカツカ 憂「お姉ちゃん?」 唯「なんでもなかったよ、憂」 憂「え?」 唯「りっちゃん、私のこと好きっていってくれた」 唯「抱きしめてキスしてくれた」 唯「昨日のは憂の勘違いだったんだよ」 憂「お姉ちゃん、騙されてるんだよ?わからないの?」 唯「どうしてそういうこと言うの!?わからずや!」 憂「わからずやはお姉ちゃんだよ!どうして信じてくれないの?」 唯「好きな人を信じるのは当たり前だよ!」 憂「っ・・・私のこと好きじゃないの・・・?」 唯「そんなことないけど・・・りっちゃんの方が好きなの!」 憂「お姉ちゃん・・・私はただお姉ちゃんに目を覚まして欲しくて・・・」 唯「私は正気だよ、憂」 憂「えっ?」 唯「もしかしたら、本当にりっちゃんは私のことを好きじゃないかもしれない」 唯「私と付き合うことで、憂との距離を縮めたいだけかもしれない」 唯「そんなことわかってる。」 唯「でも、だったらなんだっていうの?」 唯「私はりっちゃんが好きだっていう気持ちは変わらない」 唯「もしそうでも、私が騙されてりっちゃんが幸せになれるならそれでいい」 唯「それでいいんだよ。憂」 憂「お姉ちゃん・・・」 唯「それに、私はりっちゃんのこと信じてるから」 憂「じゃあ、お姉ちゃんはどうなるの?」 憂「それじゃお姉ちゃんが幸せになれないじゃない」 唯「りっちゃんが幸せならいいんだよ、それで」 憂「いやだよ、そんなの!お姉ちゃんが幸せじゃないなんて・・・」 唯「そっか・・・。憂はわかってくれないんだね?」 憂「うん・・・ごめんね」 唯「謝るのはこっちだよ、憂。」クルッ 憂「お姉ちゃん?」 唯「しばらく憂の顔も見たくないんだもん。」ガチャバタン 憂「お姉ちゃん!・・・・・・行っちゃった・・・」 Trrrr Trrrr 律「おー、唯。どした?」 唯『ねぇ、今からりっちゃんち行っていい?』ヒグッ 律「今から?別にいいけど・・・泣いてるのか?」 唯『そんなことないよ。じゃあ、今から行くから』ガチャ 律「どうしたんだ、唯のヤツ。」 律「まさかまた憂ちゃんに何か言われたんじゃ・・・」 律「とにかく、部屋片付けないと・・・」 唯「こんばんは、りっちゃん」 律「こんばんは。あがりなよ?」 唯「うん・・・」 律「で、何かあったのか?」 唯「わかるの?」 律「わかるさ。」 唯「憂と、喧嘩しちゃって・・・顔も見たくない、って家飛び出してきちゃった」 律「うん。」 唯「憂わかってくれないんだ、私の気持ち。」 律「唯の気持ちを?」 唯「うん、私がどれだけりっちゃんを好きなのかって」 唯「私何があってもりっちゃんを信じてるって言った」 唯「もし、憂が言うようにりっちゃんが私のことを騙していても、いいって。」 律「・・・え?」 唯「私が騙されるだけでりっちゃんが幸せになれるならそれでいいの」 唯「りっちゃんにはずっと笑顔でいて欲しいから・・・」 律「・・・」 唯「でも憂、このことわかってくれなくて・・・飛び出してきちゃった」 唯「どうしよう・・・どうすればいいかな・・・」グゥゥ 唯「あ//」 律「まー、飯食ってから考えようぜ?」 唯「うん//」 律「昨日作ったパウンドケーキしかなかった。面目ない・・・」 唯「大丈夫、私りっちゃんの作ったケーキ好きだから」ニコッ 律「お、おぅ//」 唯「はぁ、でも憂とのことどうしよう。顔合わせづらいよ・・・」 律「そのことなんだけどさ、私に考えがあるんだ」 唯「考え?」 律「そ、私が唯の代わりに謝るんだ」 唯「そんなことできるの?」 律「もちろん。ちょっと髪留め貸して」 唯「え?うん」 律「カチューシャを外して、髪留めをつけて、と」 唯「おおっ、私そっくり」 律「それと唯、カチューシャつけてみ?」 唯「こう?」 律「そ。後は、少し髪をいじって・・・」 律「できた!鏡見てみろよ」 唯「すごい、りっちゃんみたい!」 律「私はさらに声を変えられるんだよ、りっちゃん」 唯「うわぁ。私にはそんなの無理だよ。りっちゃん怪盗20面相になれるよ」 律「後は服と持ち物を入れ替えれば、そうそうバレないぜ?」 律「この格好と声で仲直りしてくるよ」 唯「ありがとう、りっちゃん」 律「じゃあ、服とかも取り替えちゃおうぜ」 唯「え?ここで脱ぐの?」 律「うん。下には家族もいるし。」 唯「恥ずかしいよ//」 律「恋人同士なんだからいいだろ?」 唯「うん//」ヌギヌギ 律「あー・・・胸の大きさでばれるかもな」 唯「それはいわないで、りっちゃん//」 律「よし、じゃー行ってくるわ。」 唯「うん。りっちゃん、お願い。」 律「あー、私の携帯auじゃないけど使えるよな?なんかあったら連絡ちょうだい?」 唯「うん、ありがとね」 律「いいっていいって。じゃ仲直りしたら電話するから」 唯「いってらっしゃいっ/」チュ 律「いってきます//」 律「ただいま〜」ガチャ 憂「お姉ちゃん・・・心配してたんだよ」 律「さっきはごめんね。意地張りすぎちゃった」 律「明日ちゃんとりっちゃんと話してみるよ。」 憂「私こそごめんね。お姉ちゃんの気持ち、わかろうともしないで」 律「いいんだよ、憂。そんなことよりア〜イ〜スぅ」 憂「今持ってくるから、居間で待ってて?」 律「はあ〜い」 憂「はい、お姉ちゃん。アイス」 律「ありがと〜。う〜ん、おいひぃ」 憂「ところでお姉ちゃん、どこ行ってたの?」 律「あ〜ちこち歩いてた。時間が時間だし、行く宛てもなくてさ。」 憂「そっか。ごはんは?」 律「アイス食べたからもういいや」 憂「もう、お姉ちゃんったら」クスッ 憂「ねぇ、お姉ちゃん、くっついてもいい?」 律「い、いいよ//」 憂「ありがと。お姉ちゃんあったかいや」 律「///」 憂「ほんとは、私やだったんだ」 律「何が?」 憂「お姉ちゃんが律さんに取られちゃったみたいで」 律「りっちゃんに?」 憂「うん。律さんと付き合ってる、って言われたとき、なんだか淋しくなったの」 憂「私の恋も終わっちゃったんだな、って」 律「えっ?」 憂「私、ずっとお姉ちゃんと一緒にいたいって思ってたんだ」 憂「ずっとお姉ちゃんの笑顔の側にいたいって。」 憂「それが全部なくなっちゃったって思った」 律「・・・」 憂「でも、それは違った。」 憂「律さんの話をしているお姉ちゃんはとても生き生きしていて」 憂「私が側にいたい笑顔だった。」 憂「律さんはお姉ちゃんを幸せにしてくれる、って思った。」 憂「だから、律さんに告白されたとき、すごく怒っちゃったんだ」 憂「ごめんね、お姉ちゃんの大事な人にそんなことして」ウルウル 律「いいんだよ、憂。私も憂の気持ちを知らないで意地張っちゃってごめんね?」 律「(何やってるんだろ、私・・・)」 律の部屋 唯「こうして見ると、ホント私りっちゃんにそっくり」 唯「鏡にキスとかしてみたりして//」チュ 唯「うーん、なんか落ち着かない」 唯「そうだ、携帯でりっちゃんの写真見てよう」 唯「ロックフォルダのパスワード・・・0821・・・」 唯「って、これりっちゃんの携帯じゃん。忘れてたよ。」 唯「あれ、フォルダ開いてる・・・これは・・・」 唯「憂の写真・・・?何十枚もある・・・」 唯「まさか、りっちゃん・・・・」ダッ 唯「りっちゃん、この写真どういこと!?」ガチャ 憂「え、律さ・・・お姉ちゃん?」 律「私の、携帯?」 唯「なんで憂の写真がこんなにあるの?」 律「・・・」 唯「憂の言ってたことはホントなの?」 律「・・・」 唯「答えてよ、りっちゃん!」 律「・・・」 唯「酷いよ・・・信じてたのに!」ダッ 律「あ、唯っ」 憂「律さんは来ないで!待って、お姉ちゃん!」ダッ 唯「うぅ・・・ひっぐ・・・りっちゃん、りっちゃん・・・・・・」 憂「お姉ちゃん・・・」 唯「憂・・・私だめだね。口では偉そうなこと言ったけど・・・すごく辛いんだ、今・・・」ヒッグ 憂「お姉ちゃん・・・」ギュ 唯「ねぇ、憂はりっちゃんのことどう思ってるの?」 憂「・・・嫌いだよ。お姉ちゃんのこと利用して傷つけたんだもん。最低だよ」 唯「・・・そっか。悔しいなぁ」 憂「え?」 唯「私が憂だったら、りっちゃんを幸せにしてあげられるのに・・・」 憂「お姉ちゃん・・・」 唯「ねえ憂、少し1人にしてもらえる?」 憂「うん。じゃあ、私部屋に戻ってるね・・・」 律「(私何やってるんだろ)」トボトボ 律「(あんなことしても、憂ちゃんに好きになってもらえるわけないのに)」トボトボ 律「(・・・なんだろう、胸が苦しい・・・)」 律「(唯はわかってたんだろうな、私が憂のこと好きだって)」 律「(それでも私を好きでいてくれて、信じてくれて、幸せを願ってくれて・・・)」 律「(憂ちゃんもそうだ。自分のことは二の次にして唯のことを懸命に考えて・・・)」 律「(何やってるんだろ、私・・・どうすればいいんだろ)」 律「(今日、唯の本心を聞いて私は・・・)」 律「(嬉しかった。こんなに好いてくれる唯がとても愛おしくなったんだ)」 律「(・・・だったら、もう決まってるじゃないか)」 律「(無意識に来ちゃったな、ここ。)」 律「(ああ、曇ってて星空も見えないや)」 律「(そういえば、唯に告白されたのもここだったな)」 律「(あの日カチューシャを貰って、そのお礼にこの景色を一緒に見て・・・)」 律「(あの時から唯の気持ちは真っ直ぐだった・・・)」 律「(それなのに私はなんてひどいことをしてしまったんだ・・・)」 律「(カチューシャだって、結果的に失ってしまって・・・)」 律「(きっと、私が居たら唯は幸せになれない・・・)」フォーン 律「(列車の音・・・?下に落ちたら、私の罪も許されるのかな・・・)」ギシ 律「(唯、悲しむかな・・・?でも、私がいるよりは幸せになれるよね・・・)」ギシ 律「(さよなら、唯・・・)」タンッ 律「(・・・私落ちて・・・ない!?)」 憂「だめです、律さん!」ギュ 律「(この声・・・)」チラッ 憂「そう簡単に死んじゃだめです!」 律「・・・憂、ちゃん?」 憂「律さんがいなくなったらお姉ちゃんが悲しみます!」 律「・・・」 憂「それに、私でよかったら律さんと付き合いますよ?」 律「え?」 憂「私も気づいたんです。あの時から律さんのこと好きだったんだって」 律「憂ちゃん・・・・・・」 律「私のこと、許してくれるの?」 律「あんなに唯のことを傷つけちゃったのに・・・」 憂「っ・・・今、お姉ちゃんはとても辛いんです。」 憂「好きな人に裏切られて、でもその人のことがまだ好きで・・・」 憂「律さんが幸せになるにはどうすればいいのか、必死に考えてるんです」 律「・・・」 憂「律さんを傷つけることばかり言ったのに、好きだなんて言ってすみません・・・」 憂「そう簡単に許してもらえるとは思ってません。でも、もし許してもらえるなら・・・」 律「じゃあ、お願い。私のことは律さんじゃなくてりっちゃんってよんで敬語はやめて?」 憂「・・・りっちゃん・・・好きです。あのときのパウンドケーキ美味しかった・・・また、焼いて欲しい」 律「・・・っ!私も好きだよ」チュ 憂「///」 憂「そうだ、りっちゃん、これ忘れ物」 律「これは・・・ヒマワリのカチューシャ・・・ありがと。もう戻ってこないと思ってた」 憂「へへ、やっぱりカチューシャの方がりっちゃんらしくて好きだよ」 律「そ、そうか///」 律「じゃあ、この髪留めは・・・つけてよ?」 憂「え?」 律「きっと、似合うよ。私もその方がらしくて好きだよ//」 憂「うんっ」 FIN 出典 【けいおん!】田井中律は白ビキニ可愛い82【ドラム】 このSSの感想をどうぞ 名前 コメント すべてのコメントを見る 最後のって唯?? -- (ゆうき) 2011-05-25 00 58 21 もしかして最後の「憂」は唯がなりすました人物、とかだったりして・・・なんて -- (名無しさん) 2010-04-18 20 27 48 最後の憂は唯かと思った・・。 -- (noy) 2010-03-29 22 24 11 “りつゆい”で話を作ったら、憂が絡まない訳には行かなくなるだろうなぁ……。(て言うか紅玉は“ゆいうい”派だ)それに……(りつみお命の人達に脳内チョーク確定?) -- (紅玉国光) 2009-10-06 17 32 49